時代が平成から令和となり、盛り上がった令和商戦もだいぶ落ち着いてきました。次のイベントは「消費税増税」。是非に関する議論は尽きませんが、今回はいつもと視点を変えて、この「消費税増税」を広告として表現する上での注意点を整理しましょう。

景表法の有利誤認に注意

はじめに、増税前の広告として、こんな表現は可能でしょうか?

ついに増税、10%時代の到来! 8%の今が購入のチャンス!!

答えは「×」の可能性が大。理由としては、

  1. 消費税率を引き上げた後に国からの支援措置が予定されており、増税前と比較して本当に増税後の値段が安くなるとは言い切れないこと
  2. 「増税前に!」としておきながら、増税後に値下げし、実際は増税前と変わらない価格で販売する可能性もあるため

つまり、景品表示法の有利誤認に該当する恐れがあるため、このような表現は不適切と判断されてしまう可能性があります

さらには「9月中の購入がお得」「10月になる前に」というように、はっきりと『増税』と言わなくても、タイミングとして増税を想起させる表現であれば、増税前の駆け込み購入をあおる文言だと考えられてしまう可能性があるということにも注意が必要です。

しかし、同じ「9月末」や「10月まで」を想起させる表現でも「夏の大決算セール」「秋目前! 生活応援セールで9月30日までお得」というように、消費税と関係のない別の理由に絡めた表現であれば可能と考えられます。

軽減税率にも要注意

次に、もうひとつ「軽減税率」にも触れたいと思います。軽減税率とは今回の消費税増税において設けられる予定の経過措置です。ほとんどの商品の消費税率が10%に引き上げられる一方、飲食料品(酒税法に規定する酒類を除く、食品表示法に規定する食品)等、“生活に最低限必要なもの”に対しては例外的に8%のまま据え置く……というものです。ただし、外食は含まれません。

ヘルスケア関連商品における軽減税率対象/非対象は下記のようになる見込みです。

  • 医薬品:対象外(税率は10%)
  • 化粧品:対象外(税率は10%)
  • 健康食品:軽減税率対象(税率は8%)
  • 特定保健用食品:軽減税率対象(税率は8%)
  • 機能性表示食品:軽減税率対象(税率は8%)
  • 栄養機能食品:軽減税率対象(税率は8%)

増税後、化粧品は消費者の負担額が高くなる事をふまえ、

ご購入いただいた化粧品の増税分2%は弊社が負担致します! お値段据え置き!!

こんな表現も考えられますが、これは不可。あたかも事業者が消費税を負担している、または、事業者の判断で税率を減らしているような表現は、消費税転嫁対策特別措置法(8条)に違反する恐れがあるためです。それだけでなく、

消費税はいただきません

消費税還元セール

というように、商品本体の値引きではなく、消費税を値引きしているように見える表現も一律に不可となります。

なおこのルールは事業者における値引きセールなどの宣伝・広告自体を規制するものではないため、

令和元年10月1日以降、5%値下げします!

2019年10月1日以降、さらに5%分のポイントを加算

といった表示であれば可能です。この他、事実に基づき「税率は変わりません」「税率はそのまま」というように、消費税率が変わらないことについて、お得感を出さずに淡々と表示する事は可能と判断できます。

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 会場:全水道会館
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 講師:稲留万希子(薬事法広告研究所 代表)

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稲留 万希子

薬事法広告研究所 代表

東京理科大学卒業後、大手医薬品卸会社にて医療従事者向けポータルサイトの企画運営に従事。東洋医学に興味を抱いたことをきっかけに、中医学専門学校にて3年間薬膳料理や漢方について学ぶ。その間、ヘルスケア分野でのビジネス展開には薬事法を避けて通れない事から、薬事法と広告についても並行して学び、その後、国際中医専門員、漢方薬膳療術師、反射療法士、薬事法管理者、コスメ薬事法管理者の資格を取得し独立。2008年3月、薬事法広告研究所の設立に参画、副代表を経て代表へ就任。現在、一般社団法人 通販エキスパート協会 代表理事を兼任。

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