稲留 万希子 2018/11/7 7:00

医師を広告に登場させるだけで、効能効果への期待感や安心感を与えることができます。その一方で、使い方によってはリスクがあるので注意が必要です。また、医師や学者の談話や学説などを引用や掲載は、その内容によって可否が判断されます。

医師や学者の談話、学説等を引用することにより、その内容が直接・間接を問わず、また事実であったとしても、医薬品的な効能効果を暗示する内容であれば使用できません

もちろんそういった「薬事的配慮」をすれば良いということでなく、事実でなければ虚偽ということになります。医師の談話そのものが捏造だったりする場合には景品表示法や健康増進法に抵触することになります。

実際の医師の談話であることを前提に、NG例とOK例を見てみましょう。

NG例:

医学博士 ○○先生談

△△という成分には、体内の毒素を排出し、若い細胞への生まれ変わりを促進させる効果があることが近年の研究で証明されました。この商品××(健康食品名)には△△が豊富に含まれておりますので、毎日の健康が気になる方に大変おすすめです。

述べている内容が、「体内の毒素を排出し、若い細胞への生まれ変わりを促進させる」という医薬品的な効能効果を暗示していますので、これはNGです。

OK例:

医学博士 ○○先生談

ダイエットのために食事制限をしている人は、何かと栄養バランスが崩れがちです。この商品××には、不足しがちなビタミンやたんぱく質といった栄養がバランス良く含まれておりますので、ダイエット時の栄養補給にご利用いただけるでしょう。

上の例はOKです。少なくとも薬機法に抵触しません。なぜなら、

  • 栄養補給
  • 健康維持
  • 美容
  • 生体を構成する栄養素について、構成成分であることを示す (あくまでも「身体」という大枠のみ。「肌」「関節」など特定の部位を指すのは不可)

上記の範囲であれば医薬品等の効能効果とは見なされず、健康食品として表現可能だからです。また、例えば「規則正しい生活」「栄養バランスのとれた食事」「適度な運動」というように、「美容や健康維持のため何が大切なのか」についての言及に留めるのであれば、こちらも問題ありません

ほかには景品表示法と健康増進法の面から見て「栄養がバランス良く含まれていること」や 「(本当に)栄養補給になること」が事実であれば使えると判断できます。

◇◇◇

医師や学者を広告に起用する場合、その性質上、医薬品的な効能効果を述べる内容になりがちです。訴求力の高い手法ではありますが、昨今では事実かどうかの確認が厳しく求められますので、その分、足をすくわれる可能性も高くなります。十分に気をつけていきましょう。

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