EC売上100億円を突破したアパレルのパル、店舗スタッフ起点のオムニを本格始動

「ZOZOTOWN」経由の売り上げが前期の1.7倍以上に増えたほか、自社ECサイトの売り上げも約1.5倍に拡大

渡部 和章

2018年4月26日 11:00

アパレルの製造販売を手がけるパルグループホールディングスの2018年2月期におけるEC売上高は、前期比51.9%増の110億2100万円だった。

ファッションECモール「ZOZOTOWN」経由の売り上げが前期の1.7倍以上に増えたほか、自社ECサイトの売り上げも約1.5倍に拡大。目標の年間売上高100億円を達成した。

衣料事業の売上高に占めるEC売上高の比率は同3.8ポイント上昇し12.3%。

販売チャネル別の売上高は「ZOZOTOWN」が同76.9%増の71億8300万円、自社ECサイト「PAL CLOSET(パルクローゼット)」は同48%増の19億8700万円、その他は同1.2%減の18億5100万円。

パルグループホールディングスのEC売上高推移

EC売上の推移と今後の計画(画像は編集部がIR資料から編集部がキャプチャ)

店舗スタッフの投稿コンテンツがEC売上に貢献

実店舗の販売員がファッションコーディネートの写真をECサイトやSNSに投稿し、ネット通販を促進する取り組みがECの販売促進につながった。

コーディネート写真をオンラインショップの商品と紐づけ、自社の公式通販サイトやSNSに投稿するツール「STAFF START」を公式通販サイト「パルクローゼット」に導入。

スタッフが発信したコーディネート経由の売上比率は30%を超えているという。 

コーディネート経由の売り上げは、投稿した販売員の実績として可視化される。コンテンツ経由の売り上げやPVをもとに、全国の販売員ランキングを「パルクローゼット」上で公開している。

PAL流オムニチャネル
PAL流オムニチャネル(画像は編集部がIR資料から編集部がキャプチャ)

今期はオムニチャネルを確立へ

2019年2月期はオムニチャネル体制を本格的に開始する。実店舗とECの垣根を超えて店舗スタッフが活躍できる環境を強化。また、ECと実店舗において在庫や会員情報、品ぞろえ、ブランドイメージなどの一元化を軸に、相互送客や顧客を囲い込むマーケティングに取り組む。

今期のEC売上高計画は150億円に設定した。中期目標として2022年2月期にEC売上高300億円を計画。EC事業のうち自社ECサイト「PAL CLOSET」で売上高100億円をめざす。

この記事のキーワード

この記事をシェアしてほしいタヌ!

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る

企画広告も役立つ情報バッチリ! Sponsored

「サムソナイト」「グレゴリー」のEC改善事例。CVR改善+購入完了率が最大45%増の成果をあげたアプローチとは 11月12日 7:00 スマホゲーム「モンスト」ファンがお得にアイテムを購入できる「モンストWebショップ」はなぜ「Amazon Pay」を選んだのか。導入効果+UI/UX向上に向けた取り組みを聞いた 10月30日 7:00 アンドエスティが「3Dセキュア2.0」の超効率的運用に成功したワケ。オーソリ承認率大幅改善、売上アップにつながった不正対策アプローチとは? 10月28日 7:00 EC業界で市場価値を最大化する――「全体を見渡せる人材」になるためのキャリア設計 10月27日 7:00 転売ヤーが引き起こすEC市場の混乱に立ち向かう! Shopifyパートナー・フラッグシップが提案する最新対策 9月29日 8:00 14か月で累計売上30億円超え。 韓国のネイルブランド「ohora」の急成長を支えたEC戦略とは 9月22日 8:00 生成AI検索が変える消費者の購買行動。UGC活用でサイト流入を最大化する 9月10日 8:00 ほしい商品が見つからないイライラを解消し、CVRを向上! 検索機能強化と顧客満足度アップを実現するBtoB-ECサイト改善のポイントとは? 9月9日 7:00 B向けEC担当者必見。BtoBビジネスを成功に導くサイト内検索の最適化戦略 9月3日 8:00 クリック率3倍、セッション数2.3倍を実現したECサイトの取り組みとは? リアル店舗のような“ワクワク感”を再現するPLAZAの事例 9月2日 7:00