"脱ダンボール"の商品配送とは? ダンボール原紙の価格高騰に新たな包装形態で対応
物流系ITベンチャーYper(イーパー)は11月26日、置き配バッグ「OKIPPA(オキッパ)」を使った配送において、ダンボール箱を使わずに商品サンプルを届ける配送試験を実施すると発表した。日本包装機械が開発している「AirBall(エアボール)」と呼ばれる包装材を使用する。
大手段ボールメーカーによるダンボール原紙の値上げが相次ぐ中、通販の物流における「脱ダンボール」をめざす。
「AirBall」はエアー式緩衝材とシュリンクフィルム包装を使った包装形態。段ボールを使わずに商品を配送できるため、資材費を約半分に抑えられるほか、かさ張らないことから物流の効率化にもつながるという。
日本包装機械は「AirBall」を自動で包装化するシステムの製造販売も手がけている。
置き配バッグ「OKIPPA」とは?
「OKIPPA」は、玄関先に設置し、宅配荷物を保管する置き配バッグ。専用アプリで配送状況などを管理できる。バッグの容量は57リットル。玄関口に固定する専用ロックと内鍵(ダイヤル式南京錠)などがセットになっている。
ヤマト運輸、日本郵便、佐川急便、西濃運輸、Amazonデリバリープロバイダー各社、楽天EXPRESSと連携しており、荷物が到着するとアプリにプッシュ通知が届く。再配達依頼もアプリで行える。
バッグを収納する際は、手のひらサイズ(縦13cm×横13cm、厚さ5cm)に折りたためる。バッグ一式の販売価格は税別3685円。
Yperは11月15日、レディースファッション通販のオットージャパン、女性のキャリア支援事業を手がけるMYコンパスと連携し、「OKIPPA」をPRする特設Webサイトを開設した。
また、12月3日から31日まで、日本郵便と共同で荷物の受取人が不在のときなどに、荷物を自宅の玄関先などに届けるサービス(置き配)の実証実験を行う。東京・杉並区内の約1000世帯に「OKIPPA」を配布し、再配達削減効果を検証する。