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「置き配」を簡易化する「OKIPPA」は、煩雑な再配達受け取りを不要にする吊り下げ式の宅配ボックス。累計15万個(2020年4月末見込み)を販売し、再配達削減の一翼を担う。

提供元のYperは「置き配」の浸透をめざし、ECサイト上で配送先の選択肢として「OKIPPA」を実装できる「OKIPPA便」を開始。第1号としてRakuten EXPRESSが採用した。OKIPPA便は、EC事業者の新たな配送インフラとなるか。15%と言われる国内全体の再配達率を「年内に10%未満にする」と目標を掲げるYperの内山智晴代表取締役に話を聞いた。

「OKIPPA」とは? 新型コロナで利用者急増

「OKIPPA」(税込3,980円)は、床に固定しない吊り下げ式の簡易宅配ボックス。玄関ドアノブに取り付けて使用する。宅配ボックスが備わっていない住居で暮らすECユーザーの利用が多い。

「置き配」を簡易化する「OKIPPA」は、煩雑な再配達受け取りを不要にする吊り下げ式の宅配ボックス
「OKIPPA」の利用イメージ(画像はYper提供)

専用アプリも提供しており、Amazon、楽天市場、ユニクロ、ZOZOTOWNなどのECサイトで購入した商品の配送状況を確認できる。2020年4月末時点での「OKIPPA」の累計販売数は15万個を見込む。

「OKIPPA」の利用状況は伸びており、「不在中のみならず在宅時も非対面で荷物を受け取れることから、特に新型コロナウイルスの感染拡大後に利用者が急増している」(内山氏)。2020年3月の販売数は、新型コロナの影響を受ける前と比べると、「月間ベースで約2倍」(内山氏)だ。

新型コロナ感染拡大後の需要増からか、メルカリで販売されているOKIPPAは販売価格が上昇。定価に近い3,000円台での取引が増えている
新型コロナ感染拡大後の需要増からか、メルカリで販売されている「OKIPPA」は販売価格が上昇。定価に近い3,000円台での取引が増えている(画像は編集部がメルカリアプリからキャプチャ)。

EC事業者がサイトに実装&自社デザインで制作できる「OKIPPA便」

Yperは4月20日に新サービス「OKIPPA便」を開始し、第1号として「Rakuten EXPRESS」が採用した。「OKIPPA便」は、EC事業者がサイト上で配送先の選択肢として「OKIPPA」を実装できるというもの。

「Rakuten EXPRESS」内で「OKIPPA」を選択した場合のイメージ
「Rakuten EXPRESS」内で「OKIPPA」を選択した場合のイメージ(画像はYperが提供)

これまでも「Rakuten EXPRESS」では、「玄関前」や「ガスメーターの中」などを配送場所の指定で「置き配」を推進してきたが、そこに「OKIPPA」が加わった。

専用アプリはキャリアメールやGmailなどのメールサービスと連携し、「楽天市場」から受信した購入メールから自動的に配送関連の情報を取得。「OKIPPA」内で配送状況を確認できるようにしている。

今後は、他のEC事業者とも提携し「OKIPPA」便の利用事業者を増やす。デザインはOKIPPA独自のものから各EC事業者やブランドに合わせたオリジナル柄にも対応していく。

楽天オリジナルデザインの「OKIPPA」
楽天オリジナルデザインの「OKIPPA」(画像はYperが提供)

置き配の普及が、再配達率10%未満実現の鍵を握る?

「OKIPPA便」は、Yperや楽天などが参画する「置き配検討会」(国土交通省が2019年3月から1年間にわたって実施)がきっかけとなり実現した。

「置き配検討会」の前身となる「宅配事業とEC事業の生産性向上連絡会」(2018年5月から開催)では、EC市場の拡大に伴い、年間数千万件発生している再配達への対応が議題としてあがっていた。「宅配ロッカー」「宅配ボックス」「コンビニ受け取り」も浸透しているが、膨大な数の再配達を吸収するまでには至っていない

そこで白羽の矢が立ったのが「置き配」。「OKIPPA」を提供するYperと、「OKIPPA」専用の盗難補償保険「置き配保険」を開発した東京海上日動が「置き配検討会」に参画し、議論を重ねた。

国交省の2019年10月の調査結果によると、国内全体の再配達率は15.2%。2020年度はこの割合を13%まで引き下げることが目標だ。一方、「OKIPPA」ユーザーによる再配達率は全体で10%を切っており、すでに国の目標を大幅にクリアしている。

内山氏は、「今年は置き配が普及する可能性が高い。そのため13%どころか、年内に国内全体で10%未満を達成することも不可能ではない」と自信を見せる。

集合住宅の共用部に「暫定的に」少量の荷物を置くのはOK

内山氏が置き配が普及すると見るのには、いくつか理由がある。まず、普及の阻害要因となってきた、「集合自宅の共用部に荷物を置いてはいけない」とされる問題が払拭される見解が、2020年3月31日に実施された第五回置き配検討会から発表されたのだ。

「消防法において、宅配物など避難の支障とならない少量の私物を暫定的に置く場合、社会通念上、法的問題にはならない」という内容である。

合わせてYperは、オートロックマンションでもOKIPPA設置宅まで荷物を配送するための解決法を探っており、すでに実証実験を終えている。2021年4月には実用化される予定で、これにより2021年以降さらなる「置き配」の普及が進むと考えられる。

Yperの内山智晴代表取締役
Yperの内山智晴代表取締役(画像はYperが提供)

返品対応で潜在顧客を掘り起こせるか?

Yperは、ファッションサブスクリプションサービス「メチャカリ」との実証実験も発表している。メチャカリでレンタルしたアイテムを返却するときに、アプリでヤマト運輸による集荷を選択。梱包した返却物をOKIPPAに入れて、指定日に自宅前に置いておくだけで対象アイテムを返送できるというものだ。

メチャカリと実証実験を展開
メチャカリと実証実験を展開(画像はYperが提供)

現在、「OKIPPA」は荷物の受け取りをメインサービスにしているが、今後はメチャカリのようなレンタルサービスの返却や、ECサイトで購入した商品の返品、または中古品の買い取りなど「受け取り」としての活用範囲も広げていく。従来取り込めていなかった潜在顧客を掘り起こすのが狙いだ。

担当編集者のコメント: 

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公文 紫都

ネットショップ担当者フォーラム編集部

公文 紫都(Shizu Kumon)

通販・EC業界専門紙記者、ITベンチャー勤務を経て2012年に独立。8年間フリーでライターをした後、2020年4月からネットショップ担当者フォーラム編集部に在籍。4年間NYで暮らしていた経験を生かし、海外の展示会取材なども積極的に行っている。猫派。

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