家電EC大手のストリーム、EC事業は2.8%増収も配送費増&モールの販促費増で営業赤字

ECモールへの新規出店などで売上高は前期を上回ったが、広告宣伝費や配送費用などが増えて9000万円の営業赤字だった

渡部 和章

2019年4月11日 10:00

家電EC大手のストリームの2019年1月期連結決算における「インターネット通販事業」の売上高は前期比2.8%増の197億6900万円だった。売上高は前期を上回ったものの、広告宣伝費や配送費用などが増えたことで9000万円の営業赤字。

商品カテゴリー別の売上高は、家電は1.7%減が109億7000万円、周辺機器・デジタルカメラは同19.9%増の44億800万円、パソコンは0.8%増の15億7300万円。

2018年9月に自社ECサイト「ECカレント」にチャットツールを導入したことで、コンバージョン率向上の効果が表れ始めたという。

2018年に「Wowma!」へ新規出店して販路を拡大。ECモールは楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonにも出店しており、「イーベストPC・家電館 楽天市場店」は、楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2018の「あす楽賞」を受賞した。

ストリームが出店している外部サイト
ストリームは現在、自社ECのほかモール店13店を運営している(画像は決算説明会資料からキャプチャ)

利益面では2018年5月~10月(第2四半期・第3四半期)にECモールにおける広告宣伝費が増えたほか、配送費用の増加などにより営業赤字。競合他社との価格競争や、在庫処分に伴う売上総利益率の低下なども減益の一因となった。

子会社を含む連結決算での広告宣伝費は同27.4%増の13億4400万円、荷造発送費は同20.3%増の6億2700万円だった。

ストリームの連結の販売費および一般管理費の推移ト
連結の販売費および一般管理費の推移(画像は決算説明会資料からキャプチャ)

連結売上高は0.8%増の226億円

ストリームの子会社であるエックスワンは化粧品や健康食品などを販売している。「ビューティー&ヘルスケア事業」の売上高は同2.8%減の22億4000万円、営業利益は1億6600万円(前期の営業利益は700万円)。

また、オンラインゲーム事業などを含む「その他事業」の売上高は同40.0%減の8億5800万円、営業利益は同9.6%減の2億1200万円。

ストリームの2019年1月期の連結決算は、売上高が前期比0.9%増の226億2600万円。営業利益は同81.7%減の1700万円、経常利益は同90.0%減の600万円。特別損失を計上したこともあり1億2000万円の最終赤字となった。

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