EC事業本部を作るヤマトホールディングスがめざす「ECエコシステム」の確立とは?

宅急便のデジタルトランスフォーメーション(DX)、ECエコシステムの確立、法人向け物流事業の強化に向けた3つの事業構造改革と、グループ経営体制の刷新、データ・ドリブン経営への転換、サステナビリティーの取り組みの3つの基盤構造改革からなるもので、持続的は成長をめざすとしている

石居 岳

2020年1月28日 11:00

ヤマトホールディングス(YHD)は1月23日、経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」を策定したと発表した。

宅急便のデジタルトランスフォーメーション(DX)、ECエコシステムの確立、法人向け物流事業の強化に向けた3つの事業構造改革と、グループ経営体制の刷新、データ・ドリブン経営への転換、サステナビリティーの取り組みの3つの基盤構造改革からなるもの。こうした改革を通じて、持続的な成長をめざすとしている。

ECエコシステムの確立では2021年4月、「EC事業本部」を新設。今後も進展が予想される「産業のEC化」に特化した物流サービスの創出に取り組む。

ヤマトホールディングス(YHD)は経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」を策定。ECエコシステムについて
ECエコシステムの確立について

まず2020年4月から、EC事業者、物流事業者と協業し、一部の地域でEC向け新配送サービスを開始する。外部の配送リソースとヤマトの拠点やデジタル基盤を融合し、まとめ配達や配達距離の短縮化、オープンロッカーや取扱店受け取り、安心な指定場所配達などを展開。EC事業者、購入者、運び手のそれぞれのニーズに応えるEC向けラストマイルサービスを構築、全国展開をめざす。

また、あらゆる商取引のEC化に対応する統合受発注、輸配送、在庫管理、決済、返品などを一括管理できるオープンなデジタル・プラットフォームを構築、2021年4月からの提供をめざす。EC事業者のサプライチェーンのスリム化や、輸配送のオープン化を通じて、社会のニーズに応えるECエコシステムを確立する。

ヤマトホールディングス(YHD)は経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」を策定。ECエコシステムの概念図
ECエコシステムの概念図

「YAMATO NEXT100」に基づき、現在の機能単位の部分最適を、顧客セグメント単位の全体最適な組織に変革し、経営のスピードをより速めるため2021年4月、現在の純粋持株会社であるYHDが、グループ会社8社を吸収合併および吸収分割することにより、リテール・地域法人・グローバル法人・ECの4事業本部と、4つの機能本部からなる事業会社に移行する。

具体的にはYHDが、ヤマト運輸、ヤマトロジスティクス、ヤマトグローバルロジスティクスジャパンを含む100%子会社7社を簡易吸収合併。100%子会社のヤマトシステム開発の事業の一部を簡易吸収分割により承継して事業会社となる。

事業会社となったYHDは、新たな経営体制である以下の4事業本部および4機能本部を構築する。YHDがヤマト運輸、ヤマトロジスティクス、ヤマトグローバルロジスティクスジャパンの各事業を再編し、リテール・地域法人・グローバル法人・ECの顧客セグメント単位の4事業本部を構築。輸送・プラットフォーム・IT・プロフェッショナルの4機能本部に再編する。

ヤマトホールディングス(YHD)は経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」を策定。事業会社後の組織体制
事業会社移行後の組織体制

 

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