バロックジャパンのニューリテール戦略、ECやデジタル化施策の進捗と今後の見通しは?
「MOUSSY」などのアパレルブランドを展開するバロックジャパンリミテッドはこのほど、2024年2月期を最終年度とする5か年計画「GLOBAL NEW RETAIL 1stステージ2024」の進捗(しんちょく)と今後の見通しを公表した。
ECやデジタル化に関連する施策では、初年度の2020年2月期にオムニチャネル化の推進、ECにおけるマーケティングの自動化、中国事業でEC取扱商品の拡充などに取り組んだ。2年目以降はビッグデータの蓄積と活用や、アプリを活用した新サービスの提供などを計画している。
2020年2月期におけるECやデジタル化に関連する施策の成果として次の項目をあげた。
- オムニチャネル化の推進(在庫表示、在庫自動連携、EC在庫店舗決済機能のリリース)
- 主力ブランドのRFID導入による業務効率化
- EC上にて、ポップアップ・リコメンド・メールの3観点でユーザー個別に適したマーケティングの自動化
- (中国事業における)EC取扱商品の拡充、大手EC会社との連携強化によるEC売上の拡大
2021年2月期以降は次の施策に取り組む。
- EC、POS、RFIDをインプットとした顧客属性、 購買動向・商品のビックデータ蓄積と分析・活用
- 「SHEL’TTER PASS」アプリ導線を活用した新サービスの提供
- 基幹システムが保有する膨大な過去の販売実績データに基づくMD設計・DB精度の高度化
- 顧客の行動を可視化し、顧客別での購買体験を強化
- (中国事業における)EC取扱商品の拡充、大手EC会社との連携強化を継続することによるEC売上の拡大
2024年2月期に国内EC化率20%を計画
バロックジャパンリミテッドは2019年4月に新たな5か年計画「GLOBAL NEW RETAIL 1stステージ2024」を公表。「NEW RETAIL時代に相応しいバロックの変革・挑戦を実現していく」ことを掲げ、EC化率の向上、データの蓄積・活用、ブランド強化、海外売上高の拡大などに取り組む方針を示した。
バロックジャパンリミテッドがめざす「NEW RETAIL」とは、自社アプリ「SHEL‘TTER PASS」を通じた顧客データや、RFIDなどを活用した商品データを分析・活用し、さまざまなデジタルテクノロジーを組み合わせながら顧客体験の向上とビジネスの効率化を実現することだと説明している。
最終年度となる2024年2月期に国内連結売上高約800億円、EC化率20%を計画している。海外売上高の計画は約180億円。
2020年2月期のEC売上高(単体)は77億円、EC化率は13%
2020年2月期における連結売上高は658億8000万円、営業利益は46億400万円、経常利益は45億8600万円、当期純利益は28億7100万円だった。
単体業績でのEC売上高は77億8700万円で、単体売上高に占めるのECの比率は13.2%。
なお、前の期(2019年2月期)は決算期変更に伴い13カ月決算だったため、前期実績と比較できない。