EC化率2割をめざすデサントのデジタル&D2C戦略
デサントが直営店やネット通販などのD2Cビジネスの強化を進めている。直販を通じた顧客接点の拡大で、現在10%程度のEC化率を将来的には2割まで引き上げる。
その一環として、デサントの公式通販サイト「DESCENTE STOREオンライン」を全面リニューアルし、11月26日に新サイトをオープンした。注文から最短翌日出荷など納期の短縮、着用画像やコーディネート提案などの商品情報の拡充、探している商品を見つけやすくする検索ナビゲーションの改善などを実施した。
デサントは直営店の出店やEC強化などのD2C(Direct to Consumer)ビジネスを強化している。4月1日付で自主管理流通に特化した「DTC部門」を設立。プロパーやアウトレット直営店舗の運営を担当する「リテール部」、アスレチックやゴルフブランドの百貨店営業を担当する「百貨店販売部」、販売職スタッフの管理・サポートをする「販売推進部」、EC事業やデジタルビジネスの推進を担当する「デジタルビジネス部」を配置した。
今後、「DESCENTE STOREオンライン」以外の「楽天市場」「LOHACO」などのECモールでの販売拡大・強化を併せて行い、新規顧客と直接結び付くことができる接点を増やしていく。
さらに、実店舗・ECサイト間の在庫連携、デジタルマーケティングによる顧客アプローチを通した集客強化によるオムニチャネル化をめざし、DTC事業の規模拡大を推進する。
デジタルマーケティングとしては、オウンドメディア「ULLR MAG.(ウルマグ)」」をスタートした。「ウルマグ」はアイテム選びの提案などコンテンツを配信。ブランドのSNSもフォロワー数を順調に伸ばし、ECサイトへの流入数も増加しているという。
2020年4-9月期(中間期)のEC売上高は、前年同期比90%増で伸長。自社ECで購入した顧客には期間限定で、オリジナルイラスト入りBOXで商品を発送するなどEC限定キャンペーンを実施した。
自社ECの売り上げは、コロナ禍で実店舗での売り上げ減少という要因もあるが、前年同期比約2倍で伸長しており、引き続き直営店・ECの売上構成比拡大をめざす。
デサントがめざすEC化率2割は、日本国内の売上高に対するEC売上の割合。2020年3月期の日本の売上高は541億円。2020年4-9月期の国内売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で182億円となっている。