「しまむらオンラインストア」ECサイト開始 ネット通販で商品購入可能に

しまむらの自社ECサイト「しまむらオンラインストア」が2020年10月1日からスタートし、しまむらの商品をオンライン通販で購入可能になった。スマホで商品を注文し店頭取置が行えるアプリ「しまこれ」は9月に終了し、サービスをオンラインショップに集約する

瀧川 正実

2020年9月30日 10:00

しまむらが10月1日に運営を始める自社ECサイト「しまむらオンラインストア」。プライベートブランド「CLOSSHI」シリーズやトレンドファッションのほか、EC限定商品も扱う。実店舗と融合した販売チャネルとして運営し、中期的には全社売上高に占めるEC事業の売上高比率を5%程度まで高める。

「しまむらオンラインストア」のサービス内容

「しまむらオンラインストア」は10月1日にプレオープンし、7日にグランドオープンする。スマホで商品を注文し店頭取置が行えるアプリ「しまコレ」とネット通販で2021年2月期のEC売上高は20億円を見込む

しまむらが10月1日に運営を始める自社ECサイト「しまむらオンラインストア」
「しまむらオンラインストア」のサイトイメージ

ECサイトの開設に伴い「しまコレ」は9月で終了し、「しまむらオンラインストア」にサービスを集約する。「しまコレ」はスマホ専用アプリだったが、「しまむらオンラインストア」はWebベースとなる。

取り扱いアイテム数は「しまコレ」と比べ1.5倍から2倍に拡充。毎週50アイテム以上の新作を投入する。実店舗では取り扱っていない「限定サイズ」「限定カラー」も取りそろえ、ECビジネスの利点を生かす

「しまむらオンラインストア」の開設に伴い「しまコレ」は9月で終了る
「しまむらオンラインストア」と「しまコレ」の比較(2021年2月期中間期の決算説明会資料からキャプチャ)

ECサイトでの注文商品は、送料をしまむらが負担する店舗受け取り、送料は購入者が負担する個人宅配送の2つの方法で運用。決済方法は、店舗受け取りの場合は店舗での支払い、個人宅配送はクレジット払いとする。

個人宅配送の場合は送料500円(税抜、大物の場合は1000円)。配送には注文後2~7日前後かかる。

しまむらが10月1日に運営を始める自社ECサイト「しまむらオンラインストア」
「しまむらオンラインストア」のビジネスイメージ(2021年2月期中間期の決算説明会資料からキャプチャ)

約10億円を投資した物流

9月28日時点で1433店舗を運営する実店舗の物流・配送網を使いコストを抑制、しまむら独自の「ローコストEC」を事業構造の根幹とする

埼玉県の東松山商品センターを増築し、増設部分をECセンターとして稼働する。サプライヤーが東松山商品センターに納品後、隣接するECセンターで検収し、在庫として保管する。店舗受け取りはしまむらの物流網で配送し、個人宅配送の場合は宅配業者に配送を委託する。

新ECセンターではマテハンを設置。ハード面、商品手配やシステムなどのソフト面、建物など設備投資として約10億円を投資した

しまむらが2020年秋に運用を始めるECサイト運営に関する概要 埼玉県の東松山商品センターを増築し、増設部分をECセンターとして稼働させる
物流センターについて(2021年2月期第1四半期の決算説明会資料からキャプチャ)

実店舗との連携、デジタル活用

インフルエンサー企画やキャラクターなどEC限定商品も扱い、リアル店舗を使う消費者をECサイトに誘導する施策を行う。予約販売も始める予定。人気集中による売り切れのチャンスロスを防ぐ。

現在、しまむらは売上上位店舗に新作を先行投入し、売れ筋を判断するテスト販売を行っている。今後、迅速に結果が出るECサイトで行い、商品の売れ筋を判断。売れ筋商品は短期生産を活用してリアル店舗で販売拡大するなど、ECサイトをテスト&リピートの場としても活用する

都市部のインショップ店舗は、オンラインストア開設後に商品の受け取り店舗として、その重要度が高まると思われるため、店舗受取りで来店したお客さまへの商品アピールの強化で、売り上げを回復していく。(しまむら)

しまむらはLINE公式アカウントなどの運用でSNS会員は2300万人まで拡大。2020年第2四半期(6-8月)では、紙チラシとWebチラシの割合が前年同期の6:4から、2020年は4:6となった。下期(2020年9-2021年2月)は、デジタル広告予算を前年同期の3倍に設定する。SNSの動画配信、Webチラシを拡大し、コロナ禍で巣ごもり時間が増えたユーザーの消費を喚起する。

今後の計画

2021年2月期における「しまコレ」の売上高は10億円、「しまむらオンラインストア」で10億円、合わせて20億円を計画。2022年2月期のEC売上高計画は50億円とする

2021年以降は「バースデイ」「アベイル」など、「ファッションセンターしまむら」以外の事業でもネット通販を手がける方針。まずは要望が多い「バースデイ」を2022年下期に運用をスタートできるようにするという。

しまむらの2020年2月期連結業績における売上高は前期比4.4%減の5219億8200万円。EC化率5%を実現した場合のEC売上高は、2020年2月期実績で換算すると260億円程度となる。

しまむらが2020年秋に運用を始めるECサイト運営に関する概要 2021年2月期は「しまコレ」とEC事業で約20億円、2022年2月期は25億円の売り上げを見込む
2021年2月期第1四半期時点では25億円のEC売上を計画していたが、中間期決算で50億円に上方修正した。画像は注文金額の計画とアプリDLの推移(2021年2月期第1四半期の決算説明会資料からキャプチャ)

2020年2月にEC事業部を新設

しまむらはECサイトのスタートに先駆け、2月21日付でEC事業部を新設。商品部・販売企画部・広告宣伝部・市場調査部統括を担っていた取締役執行役員の齋藤剛樹氏が、システム部・EC事業部・物流部・貿易部を統括している。

2018年7月に初めてのECビジネスとして「ZOZOTOWN」に出店したものの、2019年6月、出店コストの高さを理由に退店。出店理由は、店舗がない地域や来店が難しい顧客の利便性向上、新規顧客の開拓のほか、「自社ECサイトを運営するためのノウハウの獲得」(しまむら・企画室)だった。

当初、自社ECサイトは2020年2月期までに開設する方針だったが、2020年秋にずれ込んだ。

しまむらがECビジネスをスタートしたのは、小売業を取り巻く環境の変化がある。

1つが販売チャネルの多様化。リアルとECの垣根がなくなり、CtoCやサブスクリプションECなどの拡大もあり、消費者の購入チャネルの多様化が進んでいる。2つ目が消費者行動の変化。SNSで発信された情報の影響力の高まり、モノ消費からコト消費への移行、エシカル消費などだ。

小売業には、このような消費環境や消費行動の変化を機敏に捉えた、迅速かつ的確な事業の構築が求められている」(しまむら)とし、EC事業の本格スタートなどを決めた。

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