しまむらのネット通販、店舗受取が9割で「ECから店舗への送客に効果」
しまむらが2020年10月にオープンした自社ECサイト「しまむらオンラインストア」のEC売上高は、計画通りに進行しているようだ。
スマホで商品を注文し店頭取置が行えるアプリ「しまコレ」(ECサイトの開設に伴い9月に終了)とネット通販で2021年2月期のEC売上高は20億円を見込んでおり、オープンから11月20日までの売上高は「概ね計画通りに推移している」(しまむら)
売れ筋商品は、インフルエンサー企画であるサプライヤーとの共同開発ブランド「JB(Joint Development Brand)」、キャラクター商品、オンライン限定商品などとなっている。傾向はオンラインストアの前身である「しまコレ」と同じという。「しまコレ」の顧客が、ECサイトへスムーズに移行していると見ている。
なお、商品展開のうち約15%がオンラインストア限定商品。7L・8Lといった大きいサイズ、限定カラーなどを展開しており、売れ筋商品となっている。
商品の受取方法は、店舗受け取りが約9割、自宅配送が約1割。想定以上に店舗受け取りを選択する顧客が多く、「EC事業の主な目的の1つである『ECから店舗への送客』に効果を発揮している」(しまむら)
顧客の内訳は9割以上が女性。東京、神奈川、大阪、愛知の大都市圏が中心となっている。
人気集中による売り切れのチャンスロスを防止するため、12月から予約販売をスタートした。自宅配送時の配送方法では、送料500円の通常サイズに加え、12月から送料200円のゆうパケットを導入。アクセサリーなどの小さい商品向けに提供、顧客の選択肢を広げた。
しまむらは、実店舗の物流・配送網を使いコストを抑制、「ローコストEC」を事業構造の根幹としている。埼玉県の東松山商品センターを増築し、増設部分をECセンターとして稼働。サプライヤーが東松山商品センターに納品後、隣接するECセンターで検収し、在庫として保管する。店舗受け取りはしまむらの物流網で配送し、個人宅配送の場合は宅配業者に配送を委託している。
東松山のECセンターのキャパシティーは年間売上高50~60億円程度を想定。コロナ禍の新生活様式でECの需要が高まっているため、ピッチを上げて拡大していくという。
EC事業の拡大には西日本地域での配送拠点が必要不可欠。関西センターの開設を予定しているが、完成までは外部の物流業者へのアウトソーシングでEC事業を拡大していく考え。
2022年2月期は、しまむら事業のEC取扱高を増やし、「バースデイ」「アベイル」など、「ファッションセンターしまむら」以外の事業でもネット通販を手がける。