2030年度にEC売上1000億円、EC化率5割をめざすオンワード樫山。実店舗とECが連動した新業態「OMO型店舗」の出店拡大
オンワードホールディングスの中核事業会社であるオンワード樫山は、OMO型店舗「ONWARD CROSSET STORE」「ONWARD CROSSET SELECT」の出店を拡大する。
これまでに埼玉・愛知・千葉・高知で4店舗を展開。阪神梅田本店など新たに10店舗を出店し、全国13都府県、計14店舗に拡大する。
OMO型店舗「ONWARD CROSSET STORE」「ONWARD CROSSET SELECT」は、2021年4月にスタートした実店舗とオンラインストアのメリットを融合した新業態。ブランドの垣根を超えた売り場作り、商品のほかサービス提供の場を併設していることが特徴だ。
埼玉・名古屋・千葉の郊外ショッピングセンターを中心に展開。自社のアパレルや雑貨のほか、コスメやフェムテック商品、インテリア雑貨など、ブランドの垣根を超えさまざまな商品を販売。物販に加え、オンライン上の商品を取り寄せて試着・購入できる「クリック&トライ」、「リペア&メンテナンス」などのサービスを導入し、新たな顧客体験を提供している。
「クリック&トライ」の利用が好調で、2021年2月に試験導入していた「ONWARD CROSSET SELECT高知大丸」において、2021年3~7月の売上高のうち約半数(49%)が「クリック&トライ」を利用したものだった。同期間の購入客数のうち9割弱(87%)が同サービスを利用したという。
メンバーシッププログラムであるオンワードメンバーズの会員に実施したアンケート(回答者3万1900人、回答数5万2467件)によると、自社公式通販サイトの「オンワードクローゼットで購入せず、店頭で購入する理由は」という質問に対し、2万2138人(42.2%)が「実物を確認して購入したいから」と回答。1万9397人(37.0%)が「試着して購入したいから」と答えている。
オンワードホールディングスが2021年4月に発表した中長期経営ビジョンでは、販売改革において「OMOストア開発によるリアル店舗とオンラインストアのメリット融合」を掲げた。業績面では2030年度EC売上高目標として1000億円、EC化率50%としている。