石居 岳 2022/1/26 9:00

オイシックス・ラ・大地の物流センターで移転に伴う配送トラブルが発生、商品が空箱で届いたり、商品の欠品や配送遅延などが生じている。

トラブル解消に向けて、販売面ではおためしセット販売の一時的な見合わせなどを実施している。

オイシックス・ラ・大地の物流センターで移転に伴う配送トラブルが発生、商品が空箱で届いたり、商品の欠品や配送遅延などが生じている
おためしセット販売の一時的な見合わせなどを実施している(画像はECサイトからキャプチャ)

オイラ大地は当初、2024年に物流センターの大規模拡張を予定していた。しかし、2020年5月に新型コロナウイルス感染症拡大で注文が急増、受注制限を行うといった措置を採るなどの経験を踏まえ、2022年1月の物流センター移転を決めた。

移転まで実験を重ねながら準備を進め、2021年11月からは段階的に移転作業を開始。年末も含め新物流センターで問題なく出荷できるかを確認の上、予定通り移転を進める判断を下した。

物流センターは2022年1月18日に移転したものの、「計画や判断の甘さがあり、初日に大量の商品が想定していなかったタイミングで同時入荷するなど受け入れが混乱し、その影響で後続の作業が予定通りに進まずに大量の欠品が発生した」(オイラ大地)と言う。

混乱の影響がその他の多くの工程に波及。実際の在庫とデータ上の在庫が一致しないといった事象が発生した。出荷作業前にスタッフ全員が手動で在庫整理と移動を行ってから出荷作業を開始することになり、出荷の遅れや欠品、届けることができない事態が連日起きている状況という。

現在、新型コロナウイルス感染症対策を行いながら、社員総出で出荷作業にあたっている。一時的に販売商品を少なくし問題の拡大を抑制、商品の棚卸しを行い、整理した状態で出荷体制の立て直しを試みている。

現時点でも不安定な状態が続いており、欠品、配達遅延、配送の見送りを想定している。問い合わせも急増しており、返信に時間がかかっている状態。移転完了、復旧に向けて全社をあげて全力で取り組んでいるという。

オイラ大地の物流戦略について、今回の物流センターの移転で冷蔵出荷のキャパシティーを従来の2倍に増強。物流費は従来比で1%削減する見込み。新物流センターへの投資額は約40億円。2023年秋には冷凍設備の増強を計画しており、冷凍拠点も約40億円の投資を予定している。

オイシックス・ラ・大地の物流戦略
新物流センターについて(2021年4-9月期の決算説明会資料からキャプチャ)
オイシックス・ラ・大地の物流戦略
物流戦略について(2021年4-9月期の決算説明会資料からキャプチャ)

オイラ大地の業績は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で好調。2021年3月期連結売上高は、前期比40.9%増の1000億6100万円、営業利益は同202.6%増の74億6500万円だった。国内宅配事業の会員数増、1ユーザーあたりの平均売上高が増加、海外事業の業績が通年影響したことで2ケタ増収となっている。

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