ビックカメラの連結EC売上は37%増の1487億円、EC化率は17.5%【2020年8月期】
ビックカメラの2020年8月期連結決算におけるグループの連結EC売上高は、前期比約37%増の1487億円だった。EC化率は17.5%で2019年8月期比で5.4ポイント増加した。連結売上高は8479億円で前期比5.2%減。
ビックカメラグループのEC売上高は、ビックカメラ、コジマ、ソフマップのEC事業の売上高と、楽天ビックへの卸売りを合計した金額。
ビックカメラ単体のEC売上高の成長率は同51.6%増で、上期は同33.6%増、下期は同67.2%増。コジマ単体のEC売上に関する成長率は同35.8%増で、上期は同37.8%増、下期は同33.9%増。ビックカメラの2020年8月期の下期は新型コロナウイルス感染症拡大が追い風となり、ネット通販需要が高まった。
「O2O」「オムニチャネル」から「OMO」(Online-merges-offline)を掲げ、実店舗とECの融合に取り組みを進めるビックカメラは2020年、店頭の電子棚札とECの連携を推進。NFC(近距離無線通信規格)搭載の電子棚札を実店舗に本格導入した。電子棚札はECのレビュー件数や評価などを表示、スマートフォンをかざすと商品情報が閲覧できるというもの。
「ビックカメラ公式アプリ」を起動したスマートフォンを電子棚札に触れるだけで、購入者のレビューや商品情報、在庫などが見ることができる「アプリでタッチ」機能にも対応している。
なお、EC業界の専門誌『月刊ネット販売』が毎年実施しているEC実施企業の売上高調査によると、ヨドバシカメラの2020年3月期におけるEC売上高は14.3%増の1385億5900万円だった。
2021年8月期は1割程度の増収見込み
2021年8月期のグループEC売上高は1割程度の増収を見込む。上期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で需要が伸びると予想しているが、下期はその需要が一巡すると見ている。
連結EC売上高2000億円をめざしているビックカメラグループは物流拠点となる船橋センターを増床した。EC倉庫の面積は従来比1.7倍に拡大。棚移動型ロボットの稼働エリアを、初期導入時に比べ3倍規模に広げた。
仕分けや保管の効率化、出荷キャパシティへの増加に対応するため大型マテハンを導入。2021年秋の全面稼働予定しており、ECの出荷効率は5割程度向上するとしている。