公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)が1月9日に実施した新年賀詞交歓会で、経済産業省 商務・サービスグループ 消費・流通政策課長の平林孝之氏が来賓挨拶をし、国内外の経済情勢や政府の対応、通信販売業界への期待について語った。
国内外の環境の概観
平林課長は国内外の環境を概観。世界経済については、米国の関税措置や主要国による産業政策の強化に触れ、「国際経済の枠組みが変わりつつある」と指摘。こうした動きはサプライチェーンの再編や投資環境の変化を通じて、日本企業の事業活動にも中長期的な影響を及ぼす可能性があり、「十分に注視していく必要がある」との認識を示した。
一方、国内に目を向けると、人口減少や少子化の進展に伴う人手不足が「あらゆる産業で深刻化している」と説明。さらに、資源価格の変動や国際経済の影響による物価上昇圧力が、企業・家計の双方に負担をもたらしているとし、「外部環境の変化と国内の構造的課題が重なるなかで、経済を安定させていくことが一層重要になる年ではないか」と述べた。
事業者支援の姿勢を示す
政府の対応として、「国民生活と経済活動を下支えするため、物価高への対応を最優先課題としている」と強調。電気・ガス料金の激変緩和措置やガソリン補助金の拡充など、エネルギー・燃料コストの上昇を抑える取り組みを進めていると説明した。あわせて、中小企業・小規模事業者の「稼ぐ力」の向上に向けた支援を通じて、「地域経済を支えていきたい」と述べ、事業者支援の姿勢を示した。
市場拡大が続く通販業界を評価
通販業界は市場規模が26年連続で拡大しており、「15兆円に間もなく届くのではないかという勢いだ」と評価。1983年のJADMA設立以来、会員各社が「安心で便利な通信販売」をめざして取り組んできた成果だとし、「これまでのご尽力に心より敬意を表する」と述べた。
その上で、通販業界に関連する重要なテーマとして、セキュリティ対策と物流の安定確保の2点をあげた。
セキュリティ対策
通信販売における主要な決済手段としてクレジットカードが広く利用される一方、「不正利用による被害が増加傾向にあることも認識している」と言及。JADMAが「クレジット取引セキュリティ対策協議会」に参画し、会員企業が対策に積極的に取り組んでいることについて、「心より感謝を申し上げる」と述べた。また平林課長は、「消費者に安全な取引を提供することは、業界の持続的な成長を支える重要な要素だ」とし、引き続きの対応を求めた。
物流の安定確保
トラックドライバーの人手不足が大きな課題となるなか、JADMA会員企業が再配達削減など、物流負荷の低減につながる取り組みを「すでに積極的に進めている」と評価。4月に全面施行される物流関連法への対応とあわせ、「皆様の取り組みが着実に進むよう、経済産業省としても引き続き後押ししていきたい」と述べた。
「流通・物流を取り巻く環境は大きな転換期」
挨拶の結びでは、「流通・物流を取り巻く環境は大きな転換期にある」と指摘。その一方で、「通信販売による安心で便利な流通の確保は、こうした時代だからこそ一層重要性を増してくる」と強調した。最後に、「皆様の取り組みが今年さらに発展し、地域と生活を支える力となることを期待している」と述べ、挨拶を締めくくった。
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