石居 岳[執筆] 7/29 7:00

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(NTTコム オンライン)が実施した「NPSベンチマーク調査2022 通販化粧品部門」によると、顧客ロイヤルティを測る指標の「NPS(ネットプロモータースコア)」が最も高いのは日本ロレアルだった。

調査対象の化粧品会社6社うち、NPSのトップは日本ロレアルで3.6ポイント。2位はイプサで-2.5ポイント、3位はP&Gプレステージ-8.6ポイント。6社のNPSの平均は-7.9ポイント、トップ企業とボトム企業との差は20.9ポイント。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(NTTコム オンライン)が実施した「NPSベンチマーク調査2022 通販化粧品部門」 NTTコム オンライン NPSベンチマーク調査2022(プレステージ化粧品)
NTTコム オンライン NPSベンチマーク調査2022(プレステージ化粧品)

プレステージ化粧品のロイヤルティの要因

16項目で分析したところ、「効果・効能」「自分に合った商品がある」「使い心地の良さ」といった化粧品の品質や商品性に対する評価、「企業イメージ・ブランドイメージの良さ」「商品の信頼性・安全性」といった企業や商品のイメージの良さや信頼性に関連する項目が、ロイヤルティを醸成する結果となった。

また、「肌悩みなどのヒアリング力の高さ」「自分に合った商品の提案力」「お手入れ方法など商品以外の提案力」といったビューティーアドバイザー(美容部員)の対応力に関連する項目も評価が高い。

「有効成分の含有量」についても利用者における関心が高い項目となり、今後は利用者の期待に応えていくための背景要因を探索していくことが期待される結果となった。

一方、「コストパフォーマンス」は、推奨度との相関が最も低く、ロイヤルティに与える影響が少なかった。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(NTTコム オンライン)が実施した「NPSベンチマーク調査2022 通販化粧品部門」 業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)

日本ロレアルは、「効果・効能」「使い心地の良さ」「自分に合った商品がある」といった品質や商品性に関連する項目の評価が高い。

2位のイプサは「肌悩みなどのヒアリング力の高さ」「自分に合った商品の提案力」「お手入れ方法など商品以外の提案力」といったビューティーアドバイザーの提案力や対応に関連する項目の評価が高かった。

3位のP&Gプレステージは化粧品の商品性に関連する項目のほか、「専用機器による肌診断の精度の高さ」の項目で高評価となった。

プレステージ化粧品を利用する決め手の情報源

1位は「無料のサンプルセット」(22.0%)、2位は「友人・知人からのお薦め」(口コミ)(20.8%)、3位は「口コミサイトや比較サイトでの評価」(19.6%)。

年代別に情報源を分析したところ、20代以下や30代の若年層は「友人・知人からのお薦め」。20代では「SNS」や「YouTubeなどのコスメ関連動画」、30代では「口コミサイトや比較サイトでの評価」がそれぞれ高く、SNSを主な情報源としている。

また、40代から60代以上は、「対象ブランド・会社のビューティーアドバイザーからの提案・お薦め」に加え、「テレビやラジオの番組や広告」、「女性誌や美容専門紙の記事や広告」「折り込みチラシやDMなど」といったマスメディアの媒体や広告を情報源としている傾向ある。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(NTTコム オンライン)が実施した「NPSベンチマーク調査2022 通販化粧品部門」 化粧品全般に関する普段の情報源
化粧品全般に関する普段の情報源

化粧品全般に関する情報収集では、全体は「アットコスメ」が48.1%と最も高く、「友人や知人からの口コミ」(40.3%)、「メーカーのサイト」(24.9%)、「Instagram」(21.5%)と続いた。特に20代以下や30代の若年層では「Instagram」「YouTubeのコスメ関連動画」「Twitter」などが突出して他の年代に比べて高い。

ロイヤルティ向上はSNSがカギ

該当のプレステージ化粧品利用者におけるSNS利用について調査したところ、SNSを利用・閲覧したことがある利用者は全体の72.9%、SNSでのメイクやコスメに関する情報を閲覧したことがある利用者は全体の56.2%となった。

SNSで該当のプレステージ化粧品について調べたり情報を閲覧した経験は「対象ブランドの商品情報を閲覧した」が最も高く38.5%。「対象ブランドの公式アカウントの情報を閲覧した」(28.2%)、「対象ブランドの利用者の口コミ情報を閲覧した」(28.1%)と続いている。

SNSによる対象のプレステージ化粧品の情報閲覧などの利用経験別にNPSを分析したところ、いずれのSNSの経験においても、経験がない利用者に比較してNPSが高くなった。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(NTTコム オンライン)が実施した「NPSベンチマーク調査2022 通販化粧品部門」 SNSの利用経験別NPS
SNSの利用経験別NPS

企業がSNSを用いて利用者との接点を持ち、適切な情報発信を行っていくことがロイヤルティ向上につながることが示唆されている。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(NTTコム オンライン)が実施した「NPSベンチマーク調査2022 通販化粧品部門」 推奨セグメント別継続利用意向
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(NTTコム オンライン)が実施した「NPSベンチマーク調査2022 通販化粧品部門」 NPSセグメント別過去1年間のポジティブな口コミの件数
NPSセグメント別過去1年間のポジティブな口コミの件数

調査概要

  • 調査対象企業(アルファベット順、50音順):P&Gプレステージ(SK-Ⅱ)、イプサ(IPSA)、花王・カネボウ化粧品(DEW SUPERIOR、est、KANEBO、LISSAGE、TWANY)、コーセー(DECORTÉ、INFINITY)、資生堂(HAKU、SHISEIDO、クレ・ド・ポー ボーテ、ベネフィーク、リバイタル、リバイタル グラナス)、日本ロレアル(LANCÔME、イヴ・サンローラン、シュウ ウエムラ、ヘレナ ルビンスタイン)
  • 調査対象者:インターネットリサーチモニターのうち、上記化粧品会社の化粧品の利用者
  • 調査方法:NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
  • 調査期間:2022年6月20~27日
  • 有効回答者数:1836人
  • 回答者の属性:性別は女性が100.0%、年代は20代以下が16.1%、30代が18.0%、40代が21.0%、50代が17.8%、60代以上が27.1%

NPSとは?

推奨度が高ければ高い顧客ほどリピート率が高く、クチコミによる新規顧客の獲得にもつながるため、企業はNPSを向上させることで収益を上げることができるとされている。

NPSは次のように計測する。

「友人に(特定商品などを)すすめたいと思いますか?」と顧客に質問し、0~10点で推奨度を計測。次のように分類する。

  • 0~6点を付けた人 → 「批判者」
  • 7~8点を付けた人 → 「中立者」
  • 9~10点を付けた人 → 「推奨者」
ネットショップ業界(EC業界)のNPSに関する調査結果
NPSの計測方法

NPSは、「推奨者」の割合(仮に40%)から「批判者」の割合(仮に25%)を引いた数値(40%-25%=15%)のことを指す。「推奨度」を聞くことで、顧客がどれほど企業・ブランドに対してロイヤルティがあるかを数値化する。

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