ZOZOTOWN、Amazon、楽天よりもNPSが高いファッションECサイトはMAGASEEK、その理由は?

調査対象は、Amazon Fashion(アマゾンファッション)、MAGASEEK 、Rakuten Fashion(楽天ファッション)、SHOPLIST.com by CROOZ(ショップリスト)、ZOZOTOWN、マルイウェブチャネル(マルイのネット通販)

石居 岳[執筆]

2023年2月24日 8:30

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」によると、顧客ロイヤルティを測る指標の「NPS(ネットプロモータースコア)」が最も高いのは「MAGASEEK(マガシーク)」だった。

調査対象は、Amazon Fashion(アマゾンファッション)、MAGASEEK 、Rakuten Fashion(楽天ファッション)、SHOPLIST.com by CROOZ(ショップリスト)、ZOZOTOWN、マルイウェブチャネル(マルイのネット通販)。

NPSのトップはMAGASEEKで-13.7ポイント。2位はZOZOTOWNで-15.6ポイント、3位はSHOPLIST.com by CROOZの-16.5ポイント。対象6社の平均NPSは-20.1ポイント。トップ企業とボトム企業の差は15.5ポイントだった。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」
NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門

アパレルECサイトのロイヤルティの要因を19の項目別に分析。業界全体では「ブランドや商品の品揃えの豊富さ」「サイズ表記や身長別の着丈など商品の掲載情報の詳細さ・正確さ」「自分に合ったサイズ・大きさの商品がある」といった商品の品ぞろえや掲載情報に関連する項目、「コストパフォーマンスの良さ」がロイヤルティ醸成に寄与している。

一方、ロイヤルティを向上させるために今後改善が期待される項目として、生地感や着用感といった「写真から実際の商品イメージがつきやすいこと」、「おすすめ機能・レコメンデーションの適切さ」「欲しい商品の探しやすさ・検索のしやすさ」といったサービス・機能面がロイヤリティー醸成ポイントにあがっている。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」 ロイヤルティの要因を19の項目別に分析
ロイヤルティの要因を19の項目別に分析

マガシークは「公式アプリの使いやすさ」で評価が高かったほか、業界全体の課題項目であった「写真から実際の商品イメージがつきやすいこと」「欲しい商品の探しやすさや検索のしやすさ」、レコメンデーションの適切さといった機能面でも高い評価を獲得した。
2位のZOZOTOWNは「ブランドや商品の品ぞろえの豊富さ」、3位のSHOPLISTはコストパフォーマンスの良さがそれぞれ評価された。

公式アプリの利用経験、アパレルECサイトを使う目的、求める機能などは?

公式アプリの利用経験を調査したところ、全体の51.9%が公式アプリを利用。公式アプリの利用有無別にNPSを分析したところ、公式アプリ利用者のNPSは-10.4ポイントで、公式アプリ非利用者よりも高くなった。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」 公式アプリの利用経験
公式アプリの利用経験

公式アプリ利用有無別に、ECサイトやアプリでの商品検索や購入といった機能に関連する5つの項目ごとに満足度平均を比較した。最も差が大きくなったのは「おすすめ機能・レコメンデーションの適切さ」。「欲しい商品の探しやすさ・検索のしやすさ」が続いた。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」 機能に関連する5項目ごとの満足度平均
機能に関連する5項目ごとの満足度平均

対象となったアパレルECサイトを利用する目的を調査した結果、「店員の接客がなく、じっくりと商品を探して購入できるため」が43.4%。「自分が必要としている商品だけを購入することができるため」(42.8%)、「実店舗に比べて商品が探しやすいため」(35.2%)が続いた。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」 アパレルECサイトの主な利用目的
アパレルECサイトの主な利用目的

今後求める機能について、「自分の体形やサイズを簡単に測定できる機能」が最多の31.1%。「オンライン上で自分が試着したイメージをできる機能」が25.9%、「過去の購入履歴から、自分の好みやサイズをお薦めしてくれる機能」が22.1%。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」 アパレルECサイトに求めている機能
アパレルECサイトに求めている機能

今後の継続利用意向を0~10の11段階で聞いたところ、「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は平均9.4ポイント、「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)7.8ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は5.6ポイント。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」 推奨セグメント別継続利用意向
推奨セグメント別継続利用意向

調査概要

  • 調査対象企業:Amazon Fashion(アマゾンファッション)、MAGASEEK 、Rakuten Fashion(楽天ファッション)、SHOPLIST.com by CROOZ(ショップリスト)、ZOZOTOWN、マルイウェブチャネル(マルイのネット通販)
  • 調査対象者:インターネットリサーチモニターのうち上記アパレルECサイト利用者
  • 調査方法:NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
  • 調査期間:2023年1月12~18日
  • 有効回答者数:2159人
  • 回答者の属性:性別は男性が38.0%、女性が62.0%。年代は20代以下が17.8%、30代が23.3%、40代が28.9%、50代が15.0%、60代以上が15.1%

NPSとは?

推奨度が高ければ高い顧客ほどリピート率が高く、クチコミによる新規顧客の獲得にもつながるため、企業はNPSを向上させることで収益を上げることができるとされている。

NPSは次のように計測する。

「友人に(特定商品などを)すすめたいと思いますか?」と顧客に質問し、0~10点で推奨度を計測。次のように分類する。

  • 0~6点を付けた人 → 「批判者」
  • 7~8点を付けた人 → 「中立者」
  • 9~10点を付けた人 → 「推奨者」
ネットショップ業界(EC業界)のNPSに関する調査結果
NPSの計測方法

NPSは、「推奨者」の割合(仮に40%)から「批判者」の割合(仮に25%)を引いた数値(40%-25%=15%)のことを指す。「推奨度」を聞くことで、顧客がどれほど企業・ブランドに対してロイヤルティがあるかを数値化する。

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