コクヨがめざす「2030年までに売上高5000億円」戦略の一環で、D2Cブランド主軸のグローバルECストアを開設
文具・家具メーカーのコクヨは9月5日、グローバルECストアをオープンした。ステーショナリー領域に特化。欧米や東南アジアにおける既存の卸販売に加えた新たな顧客接点として展開する。
また、海外市場での認知拡大および海外売上向上の取り組みとして、ライフログ手帳「ジブン手帳」などD2CマーケティングをグローバルECストアで展開していく。
コクヨは2021年2月に策定した「長期ビジョンCCC2030」で、新規事業の創出と既存事業の領域拡大・バリューアップによる「2030年12月期までに連結売上高5000億円」の実現をめざしている。
ステーショナリー事業では、戦略の1つとして海外事業拡大およびEC強化の推進による商材領域の拡張を掲げており、グローバルECの開設はその一環。
開設したグローバルECストアはステーショナリー領域に特化し、グローバルECではライフログ手帳「ジブン手帳」を主力商品としてD2Cマーケティングを展開。今後さらに商品を拡充していく予定だ。
商品は一部の国を除く世界中から商品を購入できる。海外の顧客の居住地に合わせて、デザインや価格などは自動でローカライズしてECストアのUIに反映する。
決済方法は100種類以上の国際決済手段から選択でき、返品・交換を含めたカスタマーサポートは、メールまたはチャットにて多言語(基本対応8言語)で対応する。こうした工夫によって、海外のユーザーに快適な顧客体験を提供していく。
コクヨはグローバルECの開設に当たって、グローバルECの開設や成功に必要なソリューションを一気通貫に提供しているLingble Pte. Ltd.(Lingble)のプラットフォームを活用した。
Lingbleは、特にD2Cにおけるブランディングやデジタルマーケティングの実績に強みがある。このことから、コクヨはグローバルECストアの成功に伴走するパートナーとしてLingbleを選定した。
Lingbleの原田真帆人CEOは、コクヨのグローバルECについて「商品の注文はコクヨの当初想定を大きく上回って推移している」と言いう。
Lingbleのプラットフォームを導入すると、統一した自社ドメインのもと、ECストアにアクセスする全世界のユーザーの居住地に合わせて、自動でローカライズされたUIを表示できる。LingbleはグローバルECへの参入を進めるD2Cブランドに伴走し、ブランディングを重視した海外展開を戦略的にサポートしている。
コクヨのほか、美術家の長坂真護氏の作品を取り扱うMAGO CREATIONも9月15日、Lingbleのプラットフォームを活用してグローバルECを開設した。導入によって、オンラインギャラリーに展示されている長坂氏のアートを、世界中のどこからでも購入できるようになった。
Lingbleはこれまでに、国内外の売上高数億円~5兆円規模の企業にソリューションを提供してきた。原田CEOは次のようにコメントしている。
EC事業者にとっての登山ガイドのような存在になりたい。クライアント企業が推進するグローバルECの成功(=険しい山の登頂)に向けて伴走していく(原田氏)