コクヨ、最新鋭の自動化設備を伴う新物流センター開設+BtoB事業の2024年12月期業績&展望
コクヨは宮城県仙台市に最新鋭の自動化物流センター「新仙台IDC(仮称)」を開設し、2026年10月の稼働開始をめざすと発表した。
コクヨ傘下のカウネットが運用するオフィス通販「カウネット」を中心とするビジネスサプライ流通事業における、東北および北海道エリアの物流基盤強化が主な目的。ビジネスサプライ流通事業の品ぞろえ拡大、ECプラットフォーム強化、販売店向け卸事業の拡大にもつなげる。

「IDC」はIntegrated Distribution Centerの略称。通販のほか、複数のビジネスモデルを統合する倉庫と位置付ける。
コクヨは2027年12月期を最終年度とした第4次中期経営計画で、既存事業の成長と収益改善につながる約700億円の成長投資の実行を掲げた。その一環として、ビジネスサプライ流通事業の購買プラットフォームにおけるインフラ整備のための設備投資を進めている。
「新仙台IDC(仮称)」は、仙台駅から車で約30分の高台に位置し、災害リスクが少なく、主要商圏まで30分圏内でアクセスできる立地にある。コンセプトは「すべての人に安心を届けるセンター」。東北・北海道エリアにおける物流サービスの品質向上と首都圏IDCの負荷分散を図る。
膨大な品番の取り扱いを可能とする最新の自動倉庫システムやAGV(無人搬送車)を活用し、高密度保管および荷扱生産性の向上に取り組む。製造・卸・小売の各段階における流通在庫を集約・統合することで、在庫効率の向上や流通段階の短縮化につなげる。
なお、「新仙台IDC(仮称)」では、周辺環境に配慮した静穏設計、作業エリアの集約により、働きやすい職場環境と効率的なオペレーションを両立。持続可能な物流基盤の構築をめざす。延床面積は1万5000坪、地上4階建て。
ビジネスサプライ流通事業、2024年12月期は増収増益
コクヨの2024年12月期(通期)における「カウネット」を含むビジネスサプライ流通事業の売上高は978億2000万円(前期比1.1%増)、営業利益は44億7100万円(同14.9%増)だった。売価改定の浸透などにより収益性が改善したほか、大規模顧客向けソリューションシステムが堅調に推移している。
ビジネスサプライ流通事業は、カウネットが運営するプラットフォーム型購買管理サービス「べんりねっと」の基盤を生かし、大規模ECサイトや専門商社などとの接続を強化する方針。2027年までにシステム投資などを推進し、2030年へ向けた顧客基盤を構築する。
ビジネスサプライ流通事業における、2025年12月期の通期業績予想は売上高が前期比12.7%増の1115億円、営業利益が同7.4増の48億円。
コクヨの2024年12月期(通期)の連結業績は、売上高が前期比2.9%増の3382億円2700万円、営業利益は同7.6%減の220億2800万円、経常利益は同6.1%減の244億1000万円、純利益は同14.3%増の217億8700万円だった。
「新仙台IDC(仮称)」の施設概要
- 所在地:宮城県仙台市泉区
- 稼動開始日:2026年10月(予定)
- 賃借坪数:約7000坪(2階、3階)
- 延床坪数:約1万5000坪
- 建物階数:4階建(133m×103m)、RCS構造(鉄筋コンクリート造一部鉄骨造、耐震)