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20年後、日本の消費市場はどのような状況になっているのだろうか? 科学技術省がまとめた『令和2年版 科学技術白書』には2040年に関する社会の未来予測がまとめられている。昨今、変化の激しい消費者行動、ニーズの変化。デジタル化の加速によってこの先の消費市場はどのように変化するのか。『令和2年版 科学技術白書』から、未来の消費市場に備えるためのヒントをみつけてほしい。

AR(拡張現実)、VR(仮想現実)などが“未来のコマース”に与えると言われているが、20年後の未来ではそんなことが当たり前のデジタル社会になっている――。

今から20年前の消費市場。1990年はインターネットの商用利用が始まった年(平成11年版 通信白書)。その前年、日本で初めて消費税が導入(3%)され、その後、バブルがはじけた。1990年代は「失われた10年」と言われており、バブルがはじけた後、日本経済は長らく不景気に陥いることになる。

一方、20年後の2040年。これまでの20年よりも、加速度的に進むデジタル化によって日本の社会は劇的に変化する――。科学術による未来を予測した『令和2年版 科学技術白書』から、消費活動、ビジネスシーンの未来の姿に関する主なトピックスを紹介していきたい。

『令和2年版 科学技術白書』
2040年の社会のイメージ「人間性の再興・再考による柔軟な社会」(画像は『令和2年版 科学技術白書』からキャプチャ)

コミュニケーション分野

体験を共有(画像内のA2.)

個人の心理状態や感覚・味覚などを記録し、共有できる体験伝達メディアが生まれる。

個人の体験を、感覚情報のみならず、そのときの心理状態なども含めて肌感覚として記録。それを編集・伝達・体験・共有できるようにするメディアが誕生する予測する。

科学技術的実現時期(所期の性能を得るなど技術的な環境が整うこと)は2030年。社会的実現時期(実現された技術が製品やサービス等として利用可能な状況となること)は2033年。

体験を共有『令和2年版 科学技術白書』
体験伝達メディアが誕生すると予測(画像は『令和2年版 科学技術白書』からキャプチャ)

犬などと会話できる意思伝達装置(画像内のA3.)

発話ができない人や動物などが言語表現を理解したり、自分の意志を言語にして表現することができるポータブル会話装置が誕生する。

科学技術的実現時期は2031年、社会的実現時期は2034年。

などと会話できる意思伝達装置『令和2年版 科学技術白書』
将来は犬や猫などと会話できる世界がやってくる?(画像は『令和2年版 科学技術白書』からキャプチャ)

即時自動翻訳システム(画像内のA5.)

画像認識と音声認識が融合した言語のリアルタイム自動翻訳が実現する。

科学技術的実現時期は2027年、社会的実現時期は2029年。

共有できる身体(画像内のA.6)

誰もが遠隔地の人やロボットの動作の一部、もしくは全身を自在に操り、身体の貸主や周囲の人と協調して作業を行うことができる身体共有技術が誕生する。

科学技術的実現時期は2030年、社会的実現時期は2033年。

即時自動翻訳システム 共有できる身体『令和2年版 科学技術白書』
将来はさらにリモートワークが進化し、自宅勤務は当たり前になる?(画像は『令和2年版 科学技術白書』からキャプチャ)

教育やスポーツ分野

教育のデジタル化(画像内のB2.)

全ての国民がITリテラシーを身に付け、デジタル化の利便性などを享受できる社会が誕生する。

教育にAI・ブロックチェーンが導入され、学校の枠を超えた学習スタイルが構築。生涯スキルアップ社会が実現。すべての書籍が電子ブックとなる。

科学技術的実現時期は2028年、社会的実現時期は2032年。

話を要約・理解するAI(画像内のB3.)

自動整理・文字化できるAIシステムが登場。非定形の文章・会話から所望の情報を抽出できる自然言語処理技術が普及する。

科学技術的実現時期は2026年、社会的実現時期は2029年。

教育のデジタル化 自動整理・文字化できるAIシステム 『令和2年版 科学技術白書』
教育現場のデジタル化が進む。そして、会議などの内容はすべてAIが処理する時代に?(画像は『令和2年版 科学技術白書』からキャプチャ)

拡張現実スポーツ(画像内のB10.)

過去の自分自身や偉人、遠隔地の人、ビデオゲームのキャラクターなどと競うことができる、実空間上での自然な情報提示によるAR(拡張現実)スポーツを行うことができるようになる。

科学技術的実現時期は2028年、社会的実現時期は2030年。

拡張現実スポーツ 『令和2年版 科学技術白書』
遠隔地のチームと練習試合が当たり前になる?(画像は『令和2年版 科学技術白書』からキャプチャ)

買い物分野

多品種少量3Dプリント(画像内のD1.)

従来の大量生産技術と同等の生産性を有する付加製造(3Dプリント)技術が浸透。カスタマイズされた製品を大量生産並みのコストで製造できるようになる。

科学技術的実現時期は2027年、社会的実現時期は2030年。

多品種少量3Dプリント 『令和2年版 科学技術白書』
将来はカスタマイズ3Dプリントショップが街中に出現する(画像は『令和2年版 科学技術白書』からキャプチャ)

食品の3Dプリント(画像内のD4.)

人工肉など人工食材をベースに、食品をオーダメイドで製造(造形)する3Dフードプリント技術が普及する。

科学技術的実現時期は2028年、社会的実現時期は2030年。

食品の3Dプリント 『令和2年版 科学技術白書』
食品をオーダーメイドで注文する時代がやってくる?(画像は『令和2年版 科学技術白書』からキャプチャ)

農業分野

無人・精密農業(画像内のB5.)

自動運転トラクタなどによる無人農業、IoTを利用した精密農業の普及、それらを通じて取得した環境データなどに基づいた環境制御システムによって精密農業が進む。

科学技術的実現時期は2026年、社会的実現時期は2027年。

無人・精密農業 『令和2年版 科学技術白書』
農業の無人化時代がやってくる?(画像は『令和2年版 科学技術白書』からキャプチャ)

農業助手ロボット(画像内のC7.)

熟練技能者など匠の技能の計測とモデリングを通じ、暗黙知を自動的にアーカイブ化するシステムが登場。初心者でも使える機械学習活用基盤が普及する。

暗黙知を自動的にアーカイブ化するシステムの科学技術的実現時期は2026年、社会的実現時期は2029年。機械学習活用基盤の科学技術的実現時期は2024年、社会的実現時期は2025年。

高度農業ロボット(画像内のC8.)

人間を代替する自立型農業ロボットが登場。身体の負担度が高く高度な育成・収穫技術を代替する。

科学技術的実現時期は2026年、社会的実現時期は2029年。

農業助手ロボット 高度農業ロボット 『令和2年版 科学技術白書』
農業をロボットが行い、負荷のかかる作業もすべてロボットが実施する時代になるのか?(画像は『令和2年版 科学技術白書』からキャプチャ)

物作りなどの分野

職人技をマスターするAI(画像内のC2.)

熟練技能者など匠の技能の計測とモデリングを通じて職人の技と経験を習得できるAIシステムが生まれる。科学技術的実現時期は2026年、社会的実現時期は2029年。

構造物自動組み立て(画像内のC3.)

橋梁などのコンクリート構造物のユニット化による、現場での組み立ての自動化が進み、コンクリート構造物の組み立てなど危険が伴う作業をユニット化が無人化する。

科学技術的実現時期は2026年、社会的実現時期は2027年。

危険が伴う作業をユニット化で無人化 構造物自動組み立て『令和2年版 科学技術白書』
職人技の伝承はAIがマスターし後世に伝承していく(画像は『令和2年版 科学技術白書』からキャプチャ)

運送・運搬などの分野

どこでも自動運転(画像内のB8.)

場所の限定なくシステムが全てを操作するレベル5の自動運転、自律航行可能な無人運航商船が、自動運転システムによって実現する。

自動運転の科学技術的実現時期は2030年、社会的実現時期は2034年。無人運航商船の科学技術的実現時期は2027年、社会的実現時期は2031年。

どこでも自動運転『令和2年版 科学技術白書』
自動運転時代は間もなくやってくる?(画像は『令和2年版 科学技術白書』からキャプチャ)

ドローンによる自動運搬(画像内のD2.)

三品産業、サービス産業、物流産業に作業用ロボットが広く普及。無人工場、無人店舗、無人物流倉庫、無人宅配搬送が実現する。

科学技術的実現時期は2026年、社会的実現時期は2029年。

ドローンによる自動運搬 『令和2年版 科学技術白書』
ドローンによる自動運搬が当たり前の時代になる(画像は『令和2年版 科学技術白書』からキャプチャ)
令和2年版科学技術白書について

『令和2年版 科学技術白書』本文はこちらをクリック

文部科学省 科学技術・学術政策研究所が行っている未来予測である「科学技術予測調査」に基づき20年後を予測、科学技術が広げる未来社会(Society 5.0)の姿などをまとめたもの。

白書では、デジタル化と地球規模課題への対応を背景とした共通した未来社会の姿として、以下の項目をあげている。

  • 医療・ヘルスケアの向上による健康寿命の延伸
  • バーチャル空間での活動の拡大による生活の多様化
  • AI、ロボットなどのICTの進展による産業の自動化・無人化の進展、データ産業・サービス産業などの新産業の創出
  • 脱炭素化や資源循環の進展による持続可能な社会への転換
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瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

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