“ライブ配信を見ながら買い物”ができるアルページュのスタジオ併設の実店舗、その効果と手応えは? 野口専務に聞いてみた
TSIホールディングスのグループ会社で、レディース向けアパレルブランドの企画・製造・小売り・卸を手がけるアルページュ。全国展開する約30店舗のうち、東京都・新宿の店舗では、店舗併設のスタジオからインスタライブを生配信している。OMO推進の一環で、目的は実店舗の顧客体験向上という。アルページュの野口英男専務執行役員に取材した。
スタジオ併設店舗の魅力とは?
スタジオ併設店舗のある東京都・新宿の店舗名称は「ARPEGE SALONE(アルページュサローネ)」。コミュニケーションスペースを確保しており、買い物もできる「コミュニケーションサロン」と位置付ける。
2023年7月オープンの店舗は、来店客がライブ配信の様子を見ることができる設計。オープン以前もインスタライブの配信を行っていたが、営業時間外の配信が多かった。「ARPEGE SALONE」では営業中に店舗内の併設スタジオから配信する。
来店客は、ライブ配信を見ながら、見た後など、アルページュが取り扱う全ブランドを試着したり購入するといったこともできる。
「ARPEGE SALONE」を訪れたお客さまはインスタライブを生で見ながら買い物ができ、オンライン配信したインスタライブを見たネットユーザーも商品を購入できる。「ARPEGE SALONE」のオープン後、売り上げは店舗もECも両方堅調に伸びており、初速の手応えを得ている。
店舗内スタジオからのインスタライブは、営業日は毎日昼12時の配信。「お客さまの日常に入っていくのが非常に大事」(野口氏)という考え方からだ。勤務先のオフィスでランチタイムに視聴した人が、帰宅前に店舗を訪れ、ライブ配信で紹介した商品を購入していくこともあるという。配信回数は今後、さらに増やしていく予定だ。
EC増収の理由は独自ブランドの成功にあり
アルページュの2023年2月期のEC売上は前期比約15%増。売り場の割合は自社ECが約8割、外部モールが約2割。2ケタ増収の理由の1つに、野口氏は「独自ブランド『アルページュストーリー』がお客さまに刺さった」と言う。
「アルページュストーリー」は、デジタルでの発信がリアルでの消費行動に直結した。商品に関するコンテンツの配信、ECや実店舗で発売日をしっかり告知したことが店舗の集客につながった。(野口氏)