ファーマフーズ、株主が全取締役の解任を要求。期末前に増配求める声も
ファーマフーズは、10月25日開催予定の株主総会を前に、株主から取締役全員の解任を求める株主提案を受けた。9月19日開催の取締役会で、増収増益の達成など堅調な業績を背景に議案への反対を決議している。
取締役会は「経営計画の阻害」? 株主から厳しい声
株主提案は4件。2つの議案は株主総会に付議する要件を満たさと決議した。提案は、保有議決権数687個(議決権比率0.23%)を持つ個人株主によるもの。
議案は、(1)株価低迷を理由にした取締役7人全員の解任、(2)年間配当100円(1株あたり)の実施――の2つ。経営陣を一新して業績回復、株主重視の経営を行うことを求めている。
ファーマフーズは、前期(23年7月期)に売上高は前年比13.9%増、営業利益は同234.1%増を達成。取締役会は、前期末時点のPBR(株価純資産倍率)が5倍であることを理由に、取締役7人は忠実に職務を遂行しており、解任は経営に支障をきたすとして解任に反対する。一般的にPBRが1倍以上であると株価が純資産に対して高く評価されているため割高とされる。
年間配当100円の実施は、昨年第3四半期において十分な説明なく、利益の大半を広告宣伝費に充て、株主の信用を裏切ったことが現在の株価につながっていると指摘。株主の信用を取り戻すための増配を求めている。取締役会は、企業価値向上のための経営計画の阻害として議案に反対する。
中計では、自己株式取得を含む総還元性向20%を目安に掲げる。目的は、研究開発、広告宣伝、M&Aに対する投資を拡大しつつ、株主への配当を積極的に充実させるため。前期の年間配当金は、期末配当金12円(総額3億4600万円)と合わせて22円。今年9月に実施した自己株式取得と合わせ、総還元性向の目安である20%を大きく上回るとしている。
取締役会は「増配は成長投資の阻害」と反論
株主提案は、期末配当金1株あたり90円の実施を求めるもの。22億4900万円の追加の現金流出が生じ、総還元性向は100%を超える。
取締役会は、中長期的な企業価値向上に向けた成長投資が阻害されると指摘。「短期的な視点に立脚したものと考えざるを得ず、中長期的な企業価値の向上につながらない」と反対する。
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