鳥栖 剛[執筆] 5/21 9:00

イオングループのミニストップがOMOを取り込んだ店舗開発「Newコンボストアモデル」を進めている。東京・神田に5月20日、同モデルのフラッグシップ店をオープン。EC連携も強化し、EC注文商品の店舗受け取り・EC専売品の店頭販売・店頭からのEC誘導などにも対応する。

ミニストップは2023年度(2024年2月期)から、市場環境変化や生活者ニーズの多様化に対応するため「Newコンボストアモデル」として競争力向上と戦略的成長の推進に取り組んできた。

「コンボストア」とは、コンビニエンスストア(CVS)とファストフード(FF)店を融合させた業態を表すミニストップの造語。2023年度を第1フェーズとしてCVS・FFのサービス競争力強化を進めた。2024年度(2025年2月期)からは第2フェーズとしてミニストップアプリを軸としたOMO推進を図る。

イオングループのミニストップがOMOを取り込んだ店舗開発「Newコンボストアモデル」を進めている
OMOはアプリを軸に推進していく(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

「Newコンボストアモデル」のフラッグシップとしてオープンしたのは「ミニストップ神田錦町1丁目店」。既存のミニストップ店舗を全面改装した。新たな店舗コンセプトとして、ミニストップアプリを軸としたOMOも実現させた。

ミニストップECの注文商品の店頭受け取りや宅配ロッカー留め置き、デリバリーやモバイルオーダーの注文などが利用できる。EC専売商品の店頭販売、店頭からECへの誘導も行う。今後もイオングループ内外の企業との相互送客を実現し、これまでにない商品・サービスを提供するとしている。

OMOの軸となるミニストップアプリはダウンロード数160万件を超えており、顧客情報・購買行動分析に基づく最適なクーポン配信やキャンペーンの告知といった「1to1マーケティング」を展開。新たなロイヤリティプログラム「プレミアム会員」も試験展開し、一定条件を満たすユーザーは毎日コーヒー1杯が無料になるなどのインセンティブも用意する。

店舗としても進化している。FF領域では新たな価値として健康にもこだわり、ミニストップの専門店事業である「MINI SOF(ミニソフ)」、職域事業の「cisca(シスカ)」の人気商品も展開する。CVS領域は生鮮食品や日用品の品ぞろえを拡大。イオングループのPB「トップバリュ」商品を1000アイテム以上に拡充する。

イオングループのミニストップがOMOを取り込んだ店舗開発「Newコンボストアモデル」を進めている
店舗のパースイメージ

OMOの一環であるモバイルオーダーのほか、キャッシュレス対応拡充やセルフレジ完備に加えて店内を買い回りしやすいレイアウトとし「ショートタイム・ワンストップショッピング」を実現していく。

そのほか、フラッグシップ店を通じBtoBビジネス実証も試みる。ECと連携したオフィスの業務需要に応える新たなビジネスモデル構築に向け、フラッグシップ店の近隣オフィス向けに取り組むとしている。

ミニストップは成長戦略として「新事業の推進」にECインフラの構築を掲げ、取り組んでいた。2023年中には「Yahoo!!ショッピング」「楽天市場」「Amazon」に出店。10月には自社EC「ミニストップオンライン」をリニューアルし、アプリとの連携も行った。2023年度のEC売上高は前年比で811%と成長している。

イオングループのミニストップがOMOを取り込んだ店舗開発「Newコンボストアモデル」を進めている
販路拡大や自社EC等刷新し売上高は前年比811%に(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
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