アインHDがフランフランを約500億円で買収。「クロスMD」「モール型ECサイト」「共同出店」など期待するシナジーとは?
ドラッグストア「アインズ&トルペ」や調剤薬局などのアインホールディングスは7月3日、インテリア・雑貨販売のFrancfranc(フランフラン)を約500億円で買収すると発表した。顧客層などが共通しており、クロスマーチャンダイジングや共同出店、共同商品開発などでシナジーを創出。モール型ECサイト構築も視野に入れている。
アインHDによると、Francfranの取得金額はアドバイザリー費用などを除き499億7600万円。株式譲渡の実行日は8月20日を予定している。
「アインズ&トルぺ」「Francfranc」は出店エリアや主要顧客層、価値観に類似性があると説明。販売商品のカテゴリーが異なるため補完関係にあり、両社の強みを生かしたシナジーを発揮できると考え買収に至ったとしている。
リテール事業に該当する「アインズ&トルペ」の全体に占める売上比率は約8%。Francfranの買収でこの比率は約16%になるとしており、中長期でリテール事業の売上比率を20~30%まで拡大させる。
「アインズ&トルペ」は約9割がコスメという独自の商品構成を採用し、他のドラッグストアと差別化を図っている。日本全国に83店舗を展開し、ECサイトも運営。「Francfranc」は20~30代の女性をメインターゲットに、インテリア・雑貨を取り扱う。国内152店舗、海外9店舗、ECを通じてライフスタイルを提案している。
今回の買収によって「クロスマーチャンダイジング」「店舗開発」「ノウハウ共有」におけるシナジーを見込む。Web領域に関しては「モール型ECサイトの構築」「SNSの相互活用」をあげる。
マーチャンダイジングの面では、異なる商品カテゴリーを強みとする両社の店舗が、互いにプライベート商品を取り扱う。たとえば、店頭で「Francfranc」のミラーと「アインズ&トルペ」のリップのまとめ買いを提案するなど互いに保有していない商品カテゴリーを相互補完。顧客満足度と顧客単価の向上を図る。
店舗開発の面では、共同出店などに取り組む。「アインズ&トルぺ」と「Francfranc」の出店エリアは主要都市を中心に駅ビルや商業施設などターゲットが近く、店舗同士の親和性が高い。大規模面積の物件への戦略的共同出店など出店形態のバリエーションを拡大する予定。また新業態の開発も検討していくとしている。
ノウハウ共有による商品開発も手がけていく。「アインズ&トルぺ」と「Francfranc」は、いずれも顧客へのライフスタイルの提案をミッションに掲げる。ノウハウを共有することで、20~30代を中心とする幅広い層をターゲットとした「暮らし」「美と健康」をサポートする商品を開発。双方のPOSデータや会員情報による主要顧客層の購買情報などを活用する。