瀧川 正実 2014/4/22 16:52

リクルートホールディングスがポイント圏の拡大に乗り出した。「ポンパレモール」などリクルートグループが提供している各ウェブサービスで利用できるポイント「リクルートポイント」と連動した決済サービスの提供を4月22日に開始。ソフトバンクグループのオンライン決済サービスや音楽配信サイトに提供したほか、6月にはサイバーエージェントが運営する「Ameba」でも利用できるようにする。「リクルートポイント」を外部企業が運営するECサイトなどでも利用できるようにし、先行する楽天などを追随、リクルートポイント圏の拡大を図る。

新たに提供を始めたサービスは「リクルートかんたん支払い」。リクルートが展開する「ポンパレモール」などのウェブサービスで利用できるID・ポイントシステムが、外部企業でも利用できるようにするもの。同サービスと連携したサイトでリクルートのIDとパスワードを入力すると、リクルートで登録した情報を元に支払いができるようになる。外部サイトで「リクルートポイント」を貯めたり、使用することが可能だ。

ソフトバンクグループのオンライン決済企業、ソフトバンク・ペイメント・サービスが提供する「オンライン決済ASP」に導入した。100社以上のEC企業が「リクルートかんたん支払」を利用できる環境を整備。ソフトバンク・ペイメント・サービスが提供している決済システム導入企業が「リクルートかんたん支払」を利用すると、リクルートが運営する国内最大級の情報サイト会員の集客効果が期待できるとしている。

音楽サービス「music.jp」を運営するエムティーアイで「リクルートポイント」が利用できるようにした他、6月にはサイバーエージェントが運営する「Ameba」にも導入する。3000万人以上の「Ameba」ユーザーが「リクルートポイント」を利用できる機会を創出する。

「リクルートかんたん支払い」を導入した際の外部企業における購入フロー

「リクルートかんたん支払い」を導入した際の外部企業における購入フロー

リクルートは昨年から「リクルートポイント」の流通を広げようとさまざまなサービスの提供を始めている。業界最高水準のポイント付与率のクレジットカード「リクルートカード」を昨年発行。13年3月、リクルートが抱える各WEB媒体で貯めたポイントが利用できるショッピングモールとして「ポンパレモール」を開設している。今年2~3月には、「リクルートポイント」の認知や利用を促進させるためのテレビCMを集中的に展開した。

「ポンパレモール」はリクルートの中で、貯めたり消化しきれなかったポイントを日常的に利用できるマーケットとして位置付けられている一方、リクルートユーザーと頻繁に接触するメディアとして期待されている。

2014年3月に開設1年を迎え、モールの流通額は前月比30%で伸びているという。取扱い商品点数は1000万点を突破。15年3月までに現在の約2倍にあたる2000万点まで引き上げる計画を掲げる。「ポンパレモール」に出店する良質な企業を増やし、1店舗当たりの流通額を伸ばす施策として4月、初めて外部企業と提携。「ポンパレモール」の運営強化に乗り出している。

担当編集者のコメント: 

情報産業の巨人もポイント圏の拡大に乗り出した。楽天、Tポイントと連携するヤフーを追随するように、リクルートホールディングスも「リクルートポイント」の流通拡大を進めようとしている。

ヤフーポイントはTポイントに統合され、業界では「楽天経済圏」という言葉が頻発に出るほど、楽天が圧倒的に先行している。「じゃらんnet」「ホットペッパーグルメ」「HotPepper Beauty」「ゼクシィ」「カーセンサー」などこれまで自社に留めていたポイントを、外部企業にも開放するのは、楽天を追随する姿勢の表れだ。

リクルートはリアルの世界で圧倒的な営業力、ネットワークを持っている。これは楽天にはない強みだろう。楽天に対抗する「リクルート経済圏」をどのように構築するか。今後の動向が楽しみだ。

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