瀧川 正実 8:00

インターネット通販などの「無店舗小売業」の倒産が急増している。

東京商工リサーチの調査によると、2024年における「無店舗小売業」の倒産は169件(前年比45.6%増)で過去最多を記録。休廃業・解散も261件と同21.3%増えた。倒産と休廃業・解散の合計は430件(同29.9%増)で、過去最高の2023年を99件上回った。

「無店舗小売業」の倒産、休業・解散の件数推移 市場拡大もネット通販の苦戦が鮮明、ナゼ? 無店舗小売業」の倒産、休廃業・解散が過去最多を記録した理由とは【2024年】
「無店舗小売業」の倒産、休業・解散の件数推移

EC市場は右肩上がりを続けている一方で、コロナ禍の需要増加や資金繰り支援などで倒産が減少した2021年(68件)を底に、倒産件数は増加傾向にある。

その背景にあるのが、競争の激化や経営環境の厳しさ。新規参入の増加による競争激化、近年は仕入れや配送などのコストが上昇し、「採算確保が難しくなっている」(東京商工リサーチ)

「無店舗小売業」の倒産は、負債規模が5000万円未満が130件と約8割を占めた。負債規模5億円以上はないという。従業員数は5人未満が153件(90.5%)。

「無店舗小売業」の負債額別倒産状況 市場拡大もネット通販の苦戦が鮮明、ナゼ? 無店舗小売業」の倒産、休廃業・解散が過去最多を記録した理由とは【2024年】
「無店舗小売業」の負債額別倒産状況

また、設立10年以内の倒産が全体の6割以上(64.2%)を占めた。東京商工リサーチは、「無店舗小売業」の倒産は「小規模で業歴の浅い新興企業に集中しているのが特徴と言える」としている。

「無店舗小売業」の設立年別倒産状況 市場拡大もネット通販の苦戦が鮮明、ナゼ? 無店舗小売業」の倒産、休廃業・解散が過去最多を記録した理由とは【2024年】
「無店舗小売業」の設立年別倒産状況

価格で優位に立つ大手への対抗には、商品開発力や品ぞろえ、イメージ戦略による差別化を通じ、消費者に選ばれる仕掛け作りが不可欠となる。市場の競合が激しさを増すなか、付加価値の提供が難しい小・零細規模の企業を中心に、無店舗小売業者の淘汰が加速する可能性が高い。(東京商工リサーチ)

【編集部からのお知らせ】中川政七商店、アイスタイル、三越伊勢丹、クラダシ、カンロ、ハーマンインターナショナルなど登壇のオンラインセミナー(3/13(木)開催)

【登録・資料は無料】他社と差別化を図るメディアミックス戦略、老舗BtoB企業がEC化率9割を達成したワケ、型番商品を自社で購入してもらうための施策などを学べるネッ担主催のオンラインセミナーです。実施日は3/13(木)

三越伊勢丹、アイスタイル、カンロ、ハーマンインターナショナルなど登壇のオンラインセミナー【3/13(木)開催】

多種多様なECサイトのサクセスストーリーをお届けする 1Daysセミナー
2/13 17:0032460
この記事が役に立ったらシェア!
これは広告です

ネットショップ担当者フォーラムを応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]

[ゴールドスポンサー]
ecbeing.
[スポンサー]