ヤフーが中古品の買取ECを本格化、100億円投じブックオフと資本・業務提携
ヤフーは4月24日、ブックオフコーポレーションと資本・業務提携契約を締結したと発表した。ヤフーはブックオフが実施する第三者割当増資を引き受け、発行済み株式の13.73%と新株予約権付社債77個を合計98億7620万円で取得する。新株予約権の権利を全て行使すると、ヤフーが保有する発行済み株式に対する議決権の割合は43.22%まで高まる。資本提携を機に、ブックオフコーポレーションの主力商材である中古本・CD・ゲームソフトなどを、7月から「ヤフオク!」で販売できるようにする。
今回の資本提携の大きな特徴は、日本最大級の中古本販売チェーン「BOOKOFF」のチェーン全店で買い取った商品を、「ヤフオク!」で販売する仕組みの構築。現在40%程度というリユース経験者を、将来的に100%まで引き上げることを両社で目指す。
「ヤフオク!」では現在、約200万冊の中古本を取り扱っている。これを2016年度までに1000万冊に拡大。7月には「BOOKOFF」店舗内に専用の買い取り受付窓口を開設し、従来の中古本やCD、ゲームソフトなどに加えアパレルや雑貨などにも買い取り対象を広げる。買い取った商品は「ヤフオク!」に出品する。
ブックオフコーポレーションの2013年3月期のオンライン事業の売上高は前の期比25.1%増の37億円。経常利益は4.2億円で、サイトオープン時からの累積損失を解消している。ブックオフコーポレーションは資本提携を通じて、オンライン経由の売上高拡大につなげる。
今回の資本提携によって出品量の急増が予想されるため、2015年度中をめどに日本最大級のリユースセンターを開設する。「BOOKOFF」店舗で買い取った商品で、「ヤフオク!」用に販売する一部商品を専用センターに集約。リアル店舗から「ヤフオク!」を通じてリユースできる仕組みを長期に渡って安定的に運営できる体制を整える。
将来的にはフルフィルメントサービスやリユース市場のBtoBマーケットプレイスとしての活用など、中古市場の新たな可能性を模索するとしている。
ヤフーがブックオフコーポレーションと資本・業務提携し、将来的にはフルフィルメントサービスやリユース市場のBtoBマーケットプレイスとしての活用など、中古市場の新たな可能性を模索するとコメントしている。
ショッピングへの出店費用などの無料化に加え、2012年に資本提携したアスクルの物流網を活用した出店者向けの物流代行サービス「Yahoo!ロジスティクス」の開始など、ECに関するプラットフォーム化を徐々に進めていた。ここにきて、ブックオフと資本提携。今度は、市場の拡大が続く中古品買取型のEC市場のプラットフォーム化に触手を伸ばし始めるようだ。
中古品のECを手掛けるEC事業者などに聞くと、今は売り手市場で、中古品を売りたいというニーズが増えているのだという。潜在需要を含め、中古品のEC買取市場はまだまだ伸びる市場であり、大きく突出した中古品買取のEC事業者やプラットフォーマ―がいない。まだ可能性を模索する段階というが、どんなプラットフォーム戦略を描いているのか、気になるところだ。