【ECサイト表示速度ランキング】1位は「あみあみオンラインショップ」。調査275サイトのうち約7がLCP2.5秒以内

2025年5月のギャプライズの調査では、調査対象の275サイトの7割以上がLCP2.5秒以内、トップ10のサイトはすべてLCP1.1秒以下を達成していることがわかった

大嶋 喜子[執筆]

5月23日 6:30

デジタルビジネス支援のギャプライズが発表した、2025年5月の国内ネット通販事業者のECサイト表示速度ランキングによると、表示速度の速さ上位10サイトすべてのLCP(Largest Contentful Paint、最大視覚コンテンツの表示時間)が1.1秒以下になっていることがわかった。

調査対象は、通販新聞社が発表した第83回通販通信教育売上高ランキング上位300社のうち、月間トラフィックが10万以上の日本国内サイト。調査期間は2025年5月時点。

上位10社のLCPは1.1秒以下

1位は「あみあみオンラインショップ」0.816秒

ランキング1位のサイトは大網が運営するホビーEC「あみあみオンラインショップ」でLCPは0.816秒。続いて2位はムラウチの家電EC「ムラウチドットコム」でLCPは0.894秒、3位は資生堂パーラーの菓子EC「資生堂パーラー」でLCPは1.011秒だった。

大網が運営する「あみあみオンラインショッピング」(画像はサイトから追加)
大網が運営する「あみあみオンラインショッピング」(画像は編集部がサイトからキャプチャ)

4位以下はファーマフーズの健康食品・美容EC「タマゴ基地」、チャコットのスポーツウェアEC「Chacott」、ライフが運営するネットスーパー「ライフネットスーパー」、ほぼ日のEC・情報サイト「ほぼ日刊イトイ新聞」、日本生活協同組合連合会が運営する生活雑貨EC「くらしと生協」、北の達人コーポレーションの化粧品EC「北の快適工房」、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営する「蔦屋書店」が続いた。

表示速度が速い上位10サイト
表示速度が速い上位10サイト

201サイトがLCP2.5秒以内

調査した275サイトのうち、約73.6%(201サイト)がLCP2.5秒以内を達成していることがわかった。トップ10のサイトではすべてLCP1.1秒以下を達成。ギャプライズは「多くのECサイトが表示速度の重要性を認識し、積極的な改善に取り組んでいることを示している」と解説している。

ギャプライズによると、今月のランキングでは「ほぼ日刊イトイ新聞」と「蔦屋書店」において、LCPの大幅な改善が見られたという。「ほぼ日刊イトイ新聞」は、従前のLCP1.228秒から1.068秒へと短縮。「蔦屋書店」は従前の1.275秒から1.097秒へと改善したという。「コンテンツ量やビジュアル要素が多いこれらのサイトにおいても、表示速度の最適化が進んでいる」(ギャプライズ)

また、EC大手のアマゾンのLCPは直近は3か月連続で改善しているという。2月は1.857秒、3月は1.708秒、4月は1.671秒、5月は1.646秒だった。確実にパフォーマンスの最適化が進められている。

INPはファーマフーズ「タマゴ基地」が1位

Googleが定めたCore Web Vitals(ウェブの重要指標)の新指標INP(Interaction to Next Paintの略。Webページにおいてユーザーの操作に対する視覚的な応答までの時間を示す指標)は「タマゴ基地」が1位だった。

INPの値に優れた5社
INPの値が優れた5社
ファーマフーズが運営する「タマゴ基地」(画像はサイトから追加)
ファーマフーズが運営する「タマゴ基地」(画像はサイトから編集部がキャプチャ)

ギャプライズは、自社サイトのパフォーマンス改善を検討する際はINPとLCPを含むすべてのコアウェブバイタルの指標を総合的に分析し、改善策を立案することが重要だと提唱している。

GoogleはLCPの基準値を定めており、ページの読み込み開始から2.5秒以内にLCP要素が表示されればユーザー体験は良好で、4秒を超えるとユーザー体験が低いと判断される。また、LCPは1秒未満までその改善効果が得られることがわかっている。

調査概要

  • 調査期間:2025年5月時点
  • 調査機関:ギャプライズ
  • 調査対象:通販新聞社が発表した第83回通販・通教売上高ランキング上位300社のうち、月間トラフィックが10万以上の日本国内275サイト
  • 調査方法:GoogleのChrome ユーザー エクスペリエンス レポートの公式データセット。各サイトのドメインレベルで4G回線かつモバイルデバイスのLCPを比較
※読者の皆さんへのお知らせ【交流会も実施します】良品計画、ヤマダデンキ、オイシックス、UA、TSI、ヤッホーブルーイング、資さんなどが登壇のリアルECセミナー(5/27+28@東京)

ネットショップ担当者フォーラムは「ネットショップ担当者フォーラム 2025 春~ eコマースコミュニケーションDay ~」を、5/27(火)11時00分~17時35分、28(水)10時30分~17時5分にオフラインで開催します。登壇者・聴講者と交流できる懇親会も実施。すべての講演を無料で聴講できます!

「無印良品」の新たなマーケティング、ヤマダデンキさんの自社EC+実店舗+モール戦略、脱"安売り"で最高益を実現する食文化さんの施策、「資さんうどん」のファン作り+OMO+EC販路改善策、TSIさん&UAさんが語るアパレルECの未来など、さまざまなセッションをご用意しています。

この記事のキーワード

この記事をシェアしてほしいタヌ!

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る

企画広告も役立つ情報バッチリ! Sponsored

「サムソナイト」「グレゴリー」のEC改善事例。CVR改善+購入完了率が最大45%増の成果をあげたアプローチとは 11月12日 7:00 スマホゲーム「モンスト」ファンがお得にアイテムを購入できる「モンストWebショップ」はなぜ「Amazon Pay」を選んだのか。導入効果+UI/UX向上に向けた取り組みを聞いた 10月30日 7:00 アンドエスティが「3Dセキュア2.0」の超効率的運用に成功したワケ。オーソリ承認率大幅改善、売上アップにつながった不正対策アプローチとは? 10月28日 7:00 EC業界で市場価値を最大化する――「全体を見渡せる人材」になるためのキャリア設計 10月27日 7:00 転売ヤーが引き起こすEC市場の混乱に立ち向かう! Shopifyパートナー・フラッグシップが提案する最新対策 9月29日 8:00 14か月で累計売上30億円超え。 韓国のネイルブランド「ohora」の急成長を支えたEC戦略とは 9月22日 8:00 生成AI検索が変える消費者の購買行動。UGC活用でサイト流入を最大化する 9月10日 8:00 ほしい商品が見つからないイライラを解消し、CVRを向上! 検索機能強化と顧客満足度アップを実現するBtoB-ECサイト改善のポイントとは? 9月9日 7:00 B向けEC担当者必見。BtoBビジネスを成功に導くサイト内検索の最適化戦略 9月3日 8:00 クリック率3倍、セッション数2.3倍を実現したECサイトの取り組みとは? リアル店舗のような“ワクワク感”を再現するPLAZAの事例 9月2日 7:00