中国人はどのECモールで海外製品を買う? 現地ユーザーの越境ECサイト利用状況まとめ
中国人は海外製品を購入する際、どのECモールを使っているのだろうか? モールを使う理由は? 市場規模はどのくらい? 頻度は? 購入単価は? 中国現地ユーザーのこんな越境ECサイト利用状況をまとめてみた。
海外から製品をネット購入する中国人ユーザーは7400万人に
中国の調査会社iiMedia Research(艾媒咨詢)が発表した「2016-2017中国越境EC市場リサーチレポート」(2016-2017中国跨境电商市场研究报告)によると、BtoCとBtoBを合わせた2016年の越境EC輸出入(海外サイトからの購入、海外へのECサイトを通じた販売)全体の取引規模は6.3兆元(約104兆円)となった。
2018年には2016年比39.6増の8.8兆元(約145兆円)へと拡大する見通し。海外のECサイトから商品を購入する越境ECユーザーの数は、2016年の4100万人から2018年には7400万人にまで広がると予測した。
現地の越境ECプラットフォームのシェア1位は「KAOLAO.COM」
海外から商品を購入する際、中国現地ユーザーはどの越境EC小売プラットフォームを利用するのか? トップは、中国の大手インターネットサービス企業であるネットイース運営の消費者向け越境ECサイト「網易考拉海購(Kaola.com)」が21.6%の市場シェアを獲得した。
「Kaola.com」は2016年、楽天と戦略的提携契約を締結したり、花王が旗艦店をオープンしたことなどで知られている。
「天猫国際(Tmall Global)」は18.5%、「フラッシュセール」で急速に成長したECモール「vip.com」の越境EC版である「唯品国際(global.vip.com)」が16.3%で続いた。
スマートフォンで越境ECを利用するユーザーに越境ECモールを選ぶ理由を聞いた。1位は「正規品保証」(36.2%)、2位が「コストパフォーマンスが良い」(34.5%)だった。
越境ECを利用する中国人ってどんな人が多い?
海外のECサイトから商品を購入する越境ECユーザーの内訳は、女性ユーザーが73.6%。月給5001~8000元(約8万3000円から13万2000円)の高収入ユーザーは30.9%。年齢で見てみると、ユーザーの84%が19~40歳。
ユーザーの45.2%の居住地が江蘇省と浙江省、上海市などの東部地区。77.4%が一線と二線の大都市のユーザーという(中国の都市は「一線都市」「二線都市」「三線都市」にわけられており、中国の各都市の経済レベルなどを示す指標とされている)。
中国現地人の越境ECの利用状況は?
越境ユーザーが使用するデバイスを見てみると、スマートフォンユーザーが46.2%、PCやタブレットなどのユーザーが53.8%。
スマートフォンユーザーにおける越境ECの利用頻度は、月に1回が27.3%、月に2~3回が18.8%、週に1回が7.2%。週に2回以上が5.2%。毎月越境ECで商品を購入しているユーザーは58.5%。
スマートフォンで越境ECを利用する中国人ユーザーの平均客単価は、301~500元(約5000円~8300円)が42.0%で最も割合が高かった。
また、スマートフォンを使い越境ECサイトを利用するユーザーが購入する商品のカテゴリーはビューティ/化粧品(43.2%)がトップ。マタニティ(41.5%)、ファッション/シューズ(36.1%)が続いた。
今後、購入を考える商品カテゴリーのTOP3はファッション/シューズ(38.2%)、栄養関連/保健関連(37.2%)、カバン/アクセサリー(34.5%)。
また、iiMedia Researchは中国越境EC小売(輸入)の業界地図も公開している。