イーベイが買収する「ジオシス」「Qoo10」はどんな会社? 事業の規模は?
約190か国でECを展開するeBay Inc.(イーベイ)は2月28日、ECモール「Qoo10」を運営するジオシスの日本事業を買収すると発表した。「Qoo10」の取得で日本事業を強化する。
ジオシスは現在、日本、インドネシア、マレーシア、中国などに現地法人を持ち、各国で「Qoo10」を運営している。イーベイは日本事業の買収に伴い、日本以外でのジオシスグループの持ち分を放棄するという。
日本事業の買収は2018年第2四半期(4~6月期)に完了する予定。ジオシスの日本事業やイーベイの日本における事業は、ジュマン・パーク(Jooman Park)eBayアジア太平洋地域シニア・バイス・プレジデントが統括する。
eBay Inc.のCEOであるデビン・ウェニグ(Devin Wenig)は次のようにコメントしている。
ジオシスの日本事業の買収により、世界最大規模の電子商取引市場である日本においてイーベイの拠点を大幅に拡大することができます。また、「Qoo10.jp」のプラットフォームと手を組むことで、今後成長する新しいユーザー層へのサービス提供が可能となるだけでなく、モバイルデバイスが広く浸透しており、電子商取引に大きな可能性のあるダイナミックな市場である日本において、eBayのサービスの浸透、プレゼンス拡大を図って参ります。
「Qoo10」を運営するジオシスとは?
「Qoo10」(日本事業)はファッションや化粧品、食品、家電、雑貨、日用品、チケットなどを販売している総合ECサイト。ジオシスによると会員数は2017年末時点で960万人、月間ページビュー数は3億4000万PV、出品数は1140万点。
2017年(1~12月)における流通額は前年比40%以上増加したという。人気が高いレディースファッションやコスメのカテゴリーに加え、フード(食品)やデジタル(家電、ゲーム、スマホ関連など)、メンズファッションなどのプロモーションを強化したことが流通総額の増加に寄与した。フードカテゴリーの流通額は前年比2倍、デジタルカテゴリーは同1.5倍に増えたとしている。
アクセスデバイスの比率はモバイル・アプリ経由が83%。モールの出店者数は1万1000店。
ジオシスグループは2010年6月、eBayとのジョイントベンチャーとして設立された。本社はシンガポール。現在は日本、インドネシア、マレーシア、中国などに現地法人を持ち、各国で「Qoo10」を運営している。
2015年7月にはイーベイやシンガポールの大手メディアグループから総額約8200万米ドルを調達。増資前の資本金は1億2500万ドルで、eBayが49%、グループ代表のグ・ヨンベ氏を含む関連会社が51%を出資していた。
イーベイは日本事業の買収に伴い、日本以外でのジオシスグループの持ち分を放棄する。