渡部 和章 2018/5/17 8:00

スクロールは5月9日、2021年3月期を最終年度とする中期経営計画「新みらい2020」を公表し、連結売上高1000億円をめざすことなどを発表した。

ECの商品調達強化、化粧品ブランドの認知向上、通販支援や旅行業の拡大などに取り組む。

スクロールグループは、7事業セグメント体制で経営を推進
スクロールグループは、7事業セグメント体制で経営を推進(画像はIR資料を編集部がキャプチャ)

ECの商品調達を強化

「eコマース事業」では国内外における商品調達力を強化する。集客や販売のモデルを再構築するため、効果的な販促手法による受注の最大化や、リピーターを増やすためのCRMの確立を進めるという。

子会社化したナチュラム(旧ミネルヴァ・ホールディングス)が運営する、釣り具やアウトドアのECサイト「ナチュラム」のブランドの浸透や収益力強化にも注力する。

スクロールグループのeコマース事業セグメント重点方針
スクロールグループのeコマース事業セグメント重点方針(画像はIR資料を編集部がキャプチャ)

化粧品はモール展開や越境ECヘ

化粧品などを販売する「健粧品事業」は、独自性の高い商品の開発に加え、オフィシャルサイトの刷新と大手モールへの出店を行う。越境ECや海外への卸販売など、グループの資産を活用した収益モデルの構築にも取り組むとしている。

スクロールグループの化粧品・健康食品の事業セグメント重点方針
スクロールグループの化粧品・健康食品の事業セグメント重点方針(画像はIR資料を編集部がキャプチャ)

ソリューション事業

ナチュラム(旧ミネルヴァ・ホールディングス)の買収によってスクロールグループ入りしたイーシー・ユニオン(物流代行など)、成都インハナ(BPO、越境EC支援)などを強化する。

イーシー・ユニオンは大手釣り具・アウトドアECサイト「ナチュラム」の物流代行業務などを、関西で手がけてきた。スクロールグループが手がける物流サービスの関西拠点として、物流業務を強化する。

成都インハナも「ナチュラム」はBPOのほか、近年は越境ECサポートなども手がける。スクロール360との連携などで、越境ECサポートなど越境需要に対応する。

また、北海道や静岡県にある物流拠点の安定稼働を推進。2019年度中をめどに、茨城県つくばみらい市に物流センターを開設、物流拠点を拡充する。

スクロールグループのソリューション事業セグメント重点方針
スクロールグループのソリューション事業セグメント重点方針(画像はIR資料を編集部がキャプチャ)

旅行業も拡大

「旅行事業」は国内の日帰りバスツアーや、アジアからの訪日ツアーの拡大を図る。アジアからの訪日ツアーモデルを構築し、インバウンドビジネスを強化する。

売上高1000億円、最終利益34億円を計画

スクロールの2018年3月期における連結売上高は、前期比5.7%増の622億700万円だった。営業利益は同2.1%増の13億300万円、経常利益は同2.3%増の14億5800万円。連結子会社のナチュラピュリファイ研究所とT&Mの、のれんの減損損失を計上 したことにより当期純損失は10億3500万円となった。

事業別の売上高は、「通販事業」が同4.9%減の334億6200万円、「eコマース事業」は同15.9%増の135億7200万円、「健粧品事業」は同80.1%増の49億6100万円、ソリューション事業は同8.0%増の93億2500万円。

「新みらい2020」の最終年度となる2021年3月期における計画は、売上高が1000億円、営業利益は49億円、経常利益は50億円、当期純利益は34億円に設定している。

スクロールグループの2019年3月期~2021年3月期 中期経営計画 3か年目標
スクロールグループの連結業績に関する計画(画像はIR資料を編集部がキャプチャ)
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