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スクロールは8月30日、フィッシング・アウトドア用品EC企業のナチュラム・イーコマースなどを傘下に持つミネルヴァ・ホールディングスの株式を取得し、子会社化する方針を発表した。

ミネルヴァHDの筆頭株主で、約8割の株式を保有するフランスのスポーツ用品・アウトドア用品大手オキシレングループと、子会社化に向けた協議について基本合意書を締結。スクロールは独占交渉権を持って、ミネルヴァHDの子会社に向けた交渉のテーブルに着く。

ミネルヴァHDは、「ナチュラム」を運営するナチュラム・イーコマース、物流代行などのイーシー・ユニオン、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)などの成都インハナを傘下に保有する持ち株会社。

スクロールはミネルヴァHDを子会社化することで、通販事業のポートフォリオの拡充、ソリューション事業のインフラ・体制強化のほか、ミネルヴァ社へのノウハウ・インフラの共有による同社のさらなる事業拡大が見込めるなど、シナジー効果が得られるとしている。

ミネルヴァHDの2016年12月期の連結売上高は67億9000万円(前期比10.6%増)、営業損失は1億4400万円(前期は6400万円の赤字)、経常損失は1億4300万円(同4500万円の赤字)、当期純損失は1億5700万円(同8300万円の赤字)。

ナチュラム・イーコマースが運営するフィッシング・アウトドア用品のECサイト「ナチュラム」

「ナチュラム」はフィッシング・アウトドアの大手ECサイト

専門領域の強化を進めるスクロール

スクロールは2017年1月、化粧品や化粧品雑貨の製造・販売会社ナチュラピュリファイ研究所(化粧品ブランド「24h Cosme」などを展開)を子会社化。直近では、化粧品ブランド「草花木果」の通販で知られるキナリの株式を資生堂から取得し子会社化している。

また、2017年2月末までにアパレルECサイト「スクロールショップ」とシニア向けアパレルECサイト「ブリアージュ」を閉鎖。一方、化粧品や健康食品事業の強化を図っており、事業の選択と集中を進めている。

「ナチュラム」はフィッシング・アウトドア用品の大手ECサイト。スクロールはアウトドア用品といった新たな専門領域に進出する方針。

ソリューション領域でもEC決済代行を手がけるキャッチボールを子会社化するなど、通販・EC支援のソリューション強化を進めている。

ミネルヴァHD傘下のイーシー・ユニオンは物流代行業務といったEC支援を手がける事業会社。関西に物流拠点を保有している。スクロールグループは関西地域における物流拠点の設置検討を進めており、ソリューション領域でのシナジーも見込んでいると考えられる。

スクロールグループでは関西地域での物流拠点を検討していた

スクロールグループは関西地域での物流拠点を検討している
(スクロールの2017年1Q資料から編集部がキャプチャ)

EC業界の成長をけん引したECの雄「ナチュラム」

EC黎明期の1996年に、釣り具の実店舗を運営していた「ナチュラム」(ミネルヴァ・ホールディングスの前身)でECを始めたのがミネルヴァHD会長兼社長の中島成浩氏。

圧倒的な品ぞろえを武器にシェアを獲得していくロングテール戦略を取り入れてEC事業を拡大。店舗を閉鎖し、EC一本で事業拡大を進めた。先進的な取り組みを進める「ナチュラム」は“ECの雄”とも呼ばれた。

ジャスダックに株式を上場したのが2007年。その後、経営環境はガラリと変わった。消費低迷、新規参入企業の増加などで価格競争の波が押し寄せ、ミネルヴァHDもその波に飲まれていった。

そんな中、オキシレングループと資本・業務提携を締結。2014年にはオキシレングループがTOB(株式公開買い付け)を実施。オキシレングループはミネルヴァHDの株式約8割を握る筆頭株主となり、ミネルヴァHDは2014年に上場を廃止した。

株式非公開化で経営の自由度を高めたミネルヴァHDは、オキシレンが取り扱うブランドの日本販売などを推進。ロングテールからの脱却、小売りからメーカー兼小売りへとビジネスモデルを変えていった。

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瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

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