緊急事態宣言で売上減少などの中小企業・個人事業主への「一時支援金」とは? 給付ポイントは? 条件は?【3/8申請受付スタート】
2021年1月発令の緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業、不要不急の外出・移動の自粛によって売り上げが50%以上減少した中小法人・個人事業者などへの給付制度「緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金」(一時支援金)について、経済産業省はホームページからの申請受付を3月8日にスタートした。
「一時支援金」制度とは
緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業、不要不急の外出・移動の自粛により影響を受けて、一定期間の売り上げが50%以上減少した中堅・中小事業者、個人事業主などに対し、中小法人などで最大60万円、個人事業主は最大30万円を支給する給付制度。
給付対象のポイント
- 飲食店の時短営業または外出自粛などの影響を受けていること(緊急事態宣言の発令地域の飲食店と直接・間接の取引がある。または、宣言地域における不要不急の外出・移動の自粛による直接的な影響を受けている)
- 2019年または2020年と比較して、2021年の1月、2月また3月の月次売上が50%以上減少していること
給付要件を満たす中小法人、個人事業主(フリーランスや主たる雑所得・給与所得で確定申告した個人事業者などを含む)などであれば、業種や所在地を問わず給付対象となる可能性がある。
宣言地域内は、栃木県、埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県(解除地域を含む)。
宣言地域外で外出自粛の影響を受けている地域の事業者(旅行関連事業者など)なども対象となり得る。該当地域については「2016年以降の旅行客の5割以上が宣言地域内から来訪していることが、2021年1月以前から公開されている統計データにより確認できる市町村など」と定義している。
なお、休業・営業短縮協力に関する協力金の支給対象の飲食店は給付対象外。
給付対象となり得る事業者
緊急事態宣言発令地域の飲食店と直接・間接の取引がある農業者・漁業者、飲食料品・割り箸・おしぼりといった財・サービスの供給者などを想定。
また、対面で個人向けに商品・サービスの提供を行うBtoC事業者も対象となり得る。土産物販店や雑貨店、アパレルなどの小売事業者、宿泊事業者などを想定している。
たとえば、宣言地域外において地域コミュニティ内の顧客のみと取引する小売店や生活関連サービスは給付対象外になるという。
給付額
中小法人などは上限60万円。個人事業者などは上限30万円。対象期間は1~3月で、対象期間から任意に選択した月(2019年または2020年と比較して、2021年の1月、2月また3月の月次売上が50%以上減少した月)。
給付額=2019年または2020年の対象期間の合計売上―2021年の対象月の売り上げ×3か月
申請受付期間
2021年3月8日(月)から5月31日(月)まで。
特例について
ひと月あたりの事業収入の変動が大きい中小法人、個人事業者などに対する季節性収入特例、2019年または2020年の新規開業者に向けた特例なども設ける。
特例の申請受付は3月19日以降にスタートする。
季節性収入特例(1~3月の事業収入が年間事業収入の50%以上である必要はない)
給付額=2019年または2020年の1~3月の事業収入の合計―2021年1~3月の事業収入の合計
2019年・2020年 新規開業特例
給付額=開業年の年間事業収入/開業年の設立後月数×3―2021年対象月の月間事業収入×3
必要な書類
- 確定申告書:2019年および2020年の確定申告書
- 売上台帳:2021年の対象月の月間事業収入がわかる売上台帳
- 宣誓・同意書:代表者または個人事業者などが自署した宣誓・同意書
- 本人確認書類(個人事業者の場合):運転免許証、マイナンバーカード、写真付きの住民基本台帳カードなどの身分証明書のいずれか
- 通帳:銀行名・支店番号・支店名・口座種別・口座番号・名義人が確認可能なページなど
- 履歴事項全部証明書(法人の場合):申請時から3か月以内に発行された履歴事項全部証明書
- 通帳:銀行名・支店番号・支店名・口座種別・口座番号・名義人が確認可能な書類
事前確認スキーム
不正受給や誤った受給を防止するため、申請希望者が、①事業を実施しているか②給付対象等を正しく理解しているかなど――を事前に確認する。具体的には、「登録確認機関」が、TV会議または対面などで、事務局が定めた書類(帳簿など)の有無の確認や宣誓内容に関する質疑応答といった形式的な確認を行う。