「EC・通販関連」の求人数が増加しているアパレル・ファッション業界、ハイクラス人材と未経験者の二極化傾向
転職サービス「doda(デューダ)」などを提供するパーソルキャリアの転職支援サービス「クリーデンス」が発表したアパレル・ファッション業界の最新版「業界動向」によると、「EC・通販関連」などの求人数が増加している。
2019年12月~2020年2月までの求人数と2020年12月~2021年2月までの求人数を比較すると、「生産管理」「プレス・販売促進」「EC・通販関連」「人事・総務・経理・財務」で前年よりも求人数が大きく増えた。
業界全体のデジタル化やEC化、余剰在庫を生まないための生産管理など、長年抱えてきた業界の課題をコロナを契機に解消しようとする流れが生まれてきたことが要因。
アパレル・ファッション業界の「EC・通販関連」について、2019年6月~8月の求人数を100とした場合、2020年12月~2021年2月の求人数は169.2%。2020年9月~11月期と比べると12.3ポイント増加した。
これまでは、EC基盤を固めるために即戦力となるハイクラス人材を求める企業がほとんどだったが、現在は、育成を見越して未経験でも挑戦できる求人も増加しており、二極化傾向にあるという。
また、アパレル業界はWebやデジタルに精通するスキルを持つ人材が少ないため、「EC・通販関連」は唯一、求人数が転職希望者数を上回ったとしている。
ただ、アパレル業界は他の業界よりも年収が低い傾向にあることが課題。「クリーデンス」は、「人事制度や条件などを見直し、自社のニーズに合う人材をいかにスピーディーに採用できるかが、今後業界にとって重要な課題となる」としている。
「プレス・販売促進」も、デジタルマーケティングやECに特化した販売促進を担うポジションでの採用需要も引き続き高い状況にある。EC売上が好調に推移し、業績が回復している企業では、ECサイトのプロモーションを強化するアシスタント、ECで購入した顧客に対してカスタマーサービスを行うスタッフを契約社員で募集するようになっているという。