「コロナ禍の出口は少しずつ近づいている」。アダストリアの連結売上は16%増、EC売上は8%増の273億円【2021年3-8月期】
コロナ禍の出口は少しずつ近づいており、お客様が店舗に戻ってくる日は必ず来ると信じている。子会社の米ベルベット社が、4月以降のアメリカのコロナ禍からの回復によって、大きく活性化した。
アダストリアが発表した2021年3-8月期(中間期)決算の説明会資料。代表取締役会長である福田三千男氏は、中間期の振り返りと今後の展望をこのように説明する。
中間期連結売上高は前年同期比16.3%増の926億1100万円。アダストリア単体の同期売上高は、同14.0%増となる798億300万円。
単体売上高は、2020年同期間に多くの店舗が休業していたが、今期は営業状況が改善したことから増収となった。主力ブランド「グローバルワーク」のEC販売が好調に推移し、比較的コロナウイルスの影響が小さい郊外の店舗が売り上げ回復を牽引した。
国内EC売上高は同8.3%増の273億円。自社ECサイト「.st(ドットエスティ)」の伸びが貢献し、国内売上高に占めるEC比率は31.2%へ拡大。「.st」の会員数は8月末時点で1270万人となり、2021年2月末と比べ100万人増加している。連結ベースでは国内子会社でEC専業のBUZZWITが好調に推移したほか、ハイブランドのエレメントルールも店舗再開とECの伸長で増収となった。
海外事業の売上高は、前年同期比29.6%増の60億8600万円(円換算ベース)。エリア別の内訳は香港が同6.5%増の13億200万円、中国が同199.7%増の12億6700万円、台湾は同5.6%増の12億3400万円、米国は同49.2%増となる22億8200万円。米国はワクチンの普及による経済の回復や、実店舗と卸売り事業の需要が増加した。
デジタルでは今期、ECや事業を支えるシステム投資、デジタル人材への投資を継続している。以前に失敗した「.st」のシステム入れ替えを継続して再検討しており、今期中には新しい仕組みにする予定。
アダストリアは2019年10月、2020年2月期に予定していたオムニチャネルサービスの導入を来期以降に延期すると発表している。2019年8月、「.st」はECサイトのリニューアルに伴い、システムの不具合が発生。1か月超のECサイト停止を経て、9月12日にリニューアル前の旧システムに戻し、サイト運営を再開した経緯がある。