メルカリは12月22日、ユーザーがチャット機能を用いてサポート担当者に相談ができる「チャットサポート」の本格的な提供を開始した。チャット画面上で、サポート担当者がユーザーからの問い合わせにリアルタイムで対応する。
「チャットサポート」の対象は「メルカリ」を利用する全ユーザー。2025年9月から一部の「メルカリ」ユーザーを対象に提供していた。
「チャットサポート」には、「メルカリ」内の「メルカリガイド」からアクセス可能。チャットボットによるユーザーサポートは24時間対応する。チャットボットで解決しない場合は、オペレーターが問い合わせ内容についてサポートする。オペレーターによるサポート対応時間は10:00〜18:30。
「チャットサポート」提供の背景
ユーザーからの問い合わせに対しては、従前、メールでサポートしていたため、問い合わせ内容が解消されるまでに時間がかかるケースがあったという。迅速に問い合わせに対応することを目的に、「チャットサポート」の提供をすべてのユーザーに向けて開始した。
「チャットサポート」の提供は安心・安全なマーケットプレイスの実現に向けた施策の一環。フリマアプリ市場を含む国内のCtoC-EC市場の拡大を背景に、メルカリは「市場の急成長に伴って、悪意ある不正利用者の存在や不正リスクも増加しており、安心して取引できる環境を整えることは、より一層重要となっている」としている。
こうしたなか、メルカリは2025年11月に「安心安全に関する体制強化と新たな補償方針」を発表。2025年5月には不正利用者の「徹底的な排除」と顧客の「徹底的な救済」を行う新方針を公開した。
安心・安全に関する1年間の主な取り組み
メルカリは2024年11月に安心・安全に関する体制を強化し、「安心安全に関する体制強化と新たな補償方針」を定めてから約1年間、施策を継続的に強化してきた。
この結果、本人確認済みのユーザーによる取引件数の割合は1年間で76%に向上(2023年下半期(2024年1-6月期)は68%)、商品不備などによる問い合わせ率は0.40%に低減(同0.56%)、商品不備に関する問い合わせのうち、補償に至った取引の割合は2023年下半期と比較して1.9倍に拡大しているという。
安心・安全に関する1年間の取り組みは次の通り。
2024年11月
- メルカリの安心・安全に関する体制強化と新たな補償方針による対応を開始。ユーザーサポート体制の強化と、正しく利用しているユーザーへの補償拡大を行った。
- 商品回収センターを設立。すり替え・模倣品などの商品回収や、 商品画像・説明などと商品実物の照合・調査をする目的。
2025年3月
- 高額商品を出品および購入するすべてのユーザーへの本人確認を必須化した。
2025年5月
- 安心・安全に関する2つの約束を公開。不正利用者の「徹底的な排除」とユーザーの「徹底的な救済」を新方針として公開した。
- AI技術を活用した不正監視の強化。AIに疑わしい行為を学習させ、不正のリスクをスコア化し、不正利用者に対してアカウントの利用制限、民事訴訟などの対応を強化した。
20257月
取引のトラブルに際し、購入代金や販売利益を全額補償する「全額補償サポートプログラム」を開始。
20259月
- 「安心・安全の取り組み方針に関する透明性レポート」を公開。メルカリが取り組んできた不正対策や顧客サポートの実績を定期的に公開し、透明性を確保しながら各施策を推進していくことを目的としている。
- 偽ブランド品を撲滅する目的で、「メルカリ鑑定センター」を設立。また、購入者のための有料オプションサービス「あんしん鑑定」の鑑定機能を内製化した。
202510月
マーケットプレイスの基本原則や新たに定めた対応方針に関するホワイトペーパーを公開。「安心・安全」が著しく損なわれる可能性がある商品は、出品禁止などを含む対応を実施する方針を策定した。
202512月
全ユーザーを対象とした「チャットサポート」を開始。