森野 誠之[執筆] 1/23 8:00

売り上げが伸びない理由って集客、商品ページの作り方などが原因のように見えますが、実は“スケジューリングができていないだけ”ということも多いです。組織の問題なのでここがうまくいけば全体的にレベルアップするはず。

実は、若手が仕切る定例会議は効果的なんです!

EC事業におけるスケジュール管理と数値管理【no.2137】 | ECマーケティング人財育成(ECMJ)
https://www.ecmj.co.jp/no2137/

EC事業には年次の目標(年商)があり、そして月次の目標(月商)があります。そもそもEC事業の年次目標と月次目標がない会社さんは目標を立てるところから始めましょう。

(中略)

月次目標が決まっているとして、その目標を達成するために行動を決めます。決められた行動が施行されたときに、目標売上に到達するという想定を出すわけです。目標売上とはあくまで数字ですから、我々が操作することはできません。我々がコントロールすることができるのはあくまで行動です。目標売上を達成するための行動量を決めるのです。

「我々がコントロールすることができるのはあくまで行動」。もうこの文章だけでありがたい記事です。目標を立てていない人が多いと感じるのは私も同じ。目標があっても計画がなく、計画があっても行動がないところも多いです。一見すると当たり前に見えることができてないんですよね。

まずはお客様にサービスを提供する日(つまり、新商品の発売日や販促企画の開始日)を決め、その後、付随する準備業務を行動としてスケジュールに落としていきます。新商品の発売であれば、商品企画・撮影・ページ作成・SNS告知などが発売前の準備業務になるはずです。発売後のための準備業務は、ネット広告の入稿・メルマガ配信・追加発注などでしょうか。この準備業務の「解像度」を上げスケジューリングすることが大きなスケジュール管理の重要ポイントになります。

このあたりの業務の分解とスケジューリングが甘いとうまくいかないですし、何かと忙しくなりますよね。忙しい原因はシンプルに準備不足。目の前のことをやりながらちょっと先の未来を楽にするスケジューリングを。

ある一定の基準がありますから、スケジューリングがちゃんとできているとうまくいかなかった時の修正も早いです。その修正をどうするの? を説明しているのが次の記事です。

売上が激減している…理由は〇〇だった!季節イベントのタスク管理から学んだ教訓 | コマースデザイン
https://www.commerce-design.net/blog-staff/240115-seasonal-event-task-management/

誰がいつ何をするのか、作業着手や完了の日程を決めておけば、タスク自体は管理することができます。なので淡々とタスク管理し、実行していけばいいのですが、ちゃんとできていないから問題は起こります。

このような状況には、構造的に2つの問題があります。1つは「リーダー依存」、もう1つは「記憶依存」です。

最初の記事にあった「行動」。行動するには行動できる仕組みが必要です。その仕組みが人に依存していたり、記憶に依存しているとうまくいかないということ。誰かがいなくなっても仕組みで回っていくようにするのが理想です。

記憶依存を避けるために、カレンダーやExcel・スプレッドシートを利用し、タスクを記録して管理しましょう。そして、今からお伝えする方法をぜひやってみて頂きたいのです。

それは、定例会議です。毎日決まった時間にミーティングし、次にやるべきタスク、「誰がいつ何をするのか?」を確認します。

シンプルですが最も効果があるのがこれ。何かあったら集まろうでは絶対に物事が進みません。期日が決まった定例会議があると、それまでにやろうと思いますし、聞かれなければ言わないようなことも自然と共有されるので、コミュニケーションもスムーズです。複数人が集まればいろんな視点でのアイデアが出てきます。とにかくいいことだらけ。スケジュール通り進まないと感じている人は、定例会議を実施することをお薦めします。

メンバーに主体的になってもらうためにも、社長や店長とは別に、進行管理リーダーを決めておくといいでしょう。学校の日直のように持ち回り制にするのも1つの方法ですが、「この人はリーダーができるかもしれない」という、期待の若手に仕切ってもらうのもいい案です。

社長や店長が仕切ってしまうと良くない理由の1つとして、その人の発言が答えとなり、指示になってしまうということ。他の人が何も言えなくなってしまうため、依存する流れになります。若手に勉強も兼ねて定例会議の仕切りをやってもらうのがいいというのは私も同感です。

売り上げが伸びないと感じてる担当者は、計画・業務分解・スケジューリングを若手が仕切る定例会議を実行してみましょう。ちょっと時間はかかりますが、組織としても成長できるはずです。

今週の要チェック記事

コマースピック竹内さんに聞く 2024年EC業界どう変わる? | コマースわいわいワイド
https://waiwaiwide.com/2024-outlook/

ほぼこうなるであろうというお話。わかっていることなので準備しておきましょう。

【2024年のEC業界予測】景況感は「厳しい」。押さえておきたい“警戒ポイント”と対策まとめ | 竹内謙礼の一筆啓上 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/11768

前述の記事とは違った視点から。厳しい中でも対応法はあります。

【〈記者座談会〉2024年のEC市場予測】《④ 注目EC事業者》人間力で難局突破する社長たち | 日本ネット経済新聞|新聞×ウェブでEC&流通のデジタル化をリード
https://netkeizai.com/articles/detail/10604

市場予測よりも2ページ目にある注目ショップの話が興味深いです。

解約料の実態に関する研究会 | 消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/meeting_materials/review_meeting_005/

2024年に議論が進む解約料。資料に目を通せばどうするといいのかもわかってきます。

ヤマト運輸、宅急便料金を約2%値上げ 4月1日から | ITmedia Mobile
https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2401/12/news179.html

この先も続きそうな送料値上げ。じわじわと複数回ってきついので、スパッと上げてしばらくそのままにしてほしいですね。

Amazon.co.jp: Stores
https://www.amazon.co.jp/b?ie=UTF8&node=23716670051

「Amazon.co.jp 販売事業者アワード 2023」の発表です。気になるお店は商品ページなどをよく見ていいところを真似しましょう。

【能登半島地震の支援まとめ】「買って応援!」などEC・通販実施企業の支援・取り組み(随時更新) | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/11778

業務を再開したショップさんもあります。少額でもいいので継続的な支援を。

今週の名言

安宅和人が語るAI×データ活用の過去と未来 ビジネスパーソンに求められるマインドとは? | LINEヤフー株式会社
https://www.lycorp.co.jp/ja/story/20240115/bigdata.html

WOWや!という視点で、「この社会が求めているのはなにか?」を考えることが大事で、「データを持っているからこれをどう使おう」と考えないほうがいい。WOWや!を生み出すときに、このリソースや過去の蓄積は「どう生かせるか?」と考えたほうが素直だし、世の中の期待に応えやすいのではないでしょうか。

WOWや!とはワクワクのこと。ワクワクすることには人が集まりますよね。人が集まればデータも集まるしお金も集まります。この順番を間違えるとおかしな方向に。

筆者出版情報

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森野誠之 著
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