藤田遥 7:00

メルカリが実施した「日本の『持ちモノ資産』に関する調査」によると、所有物の価値を「持ちモノ資産」として算出した場合、日本全国で推計約216.4兆円、1人あたり平均約182.4万円だった。また、若年層ほど不要品の保有率が低く、高齢層と比べて売却・譲渡を選ぶ割合が高いことがわかった。調査期間は2024年10月11日~10月15日、対象は10歳代~60歳代の男女2400人。

国民1人あたりの「持ちモノ資産」額は平均約182.4万円

36カテゴリごとの持ちモノと不要品の平均個数を性年代別に調査し、日本全国の家庭の「持ちモノ資産」を算出。総額は推計約216兆3925億円で、国民1人あたりの額は平均182.4万円という。

メルカリ 調査 日本の「持ちモノ資産」総額は推計約216兆3925億円
日本の「持ちモノ資産」総額は推計約216兆3925億円(出典:メルカリ)

「持ちモノ資産」で最も多いカテゴリは「服飾雑貨」

「持ちモノ資産」の内訳を見ると、最多は「服飾雑貨」(33.6%)で、次いで「趣味(ホビー・レジャー)」(27.5%)「家具・家電・雑貨」(19.6%)だった。

メルカリ 調査 国民1人あたりの「持ちモノ資産」で最多カテゴリは「服飾雑貨」
国民1人あたりの「持ちモノ資産」で最多カテゴリは「服飾雑貨」(出典:メルカリ)

1世帯あたりの「持ちモノ資産」額は平均約356万円

「持ちモノ資産」の総額を日本の世帯数で割り戻し、1世帯あたりの平均「持ちモノ資産」を算出したところ、約356万円だった。

調査結果に基づき、世帯構成別の「持ちモノ資産」を算出したところ、単身世帯が約179.7万円、20歳代・30歳代夫婦2人世帯が約251.6万円、夫婦と子ども(15歳未満)の3人世帯が約393.6万円、50歳代・60歳代夫婦2人世帯が約454.7万円だった。

メルカリ 調査 1世帯あたりの「持ちモノ資産」額の平均は約356.0万円
1世帯あたりの「持ちモノ資産」額の平均は約356.0万円(出典:メルカリ)

年代別で「持ちモノ資産」の保有数を見ると、最多は60歳代で平均約528.2個、最も少ないのは10歳代~20歳代で平均約239.2個。また、「持ちモノ資産」のうち1年以上使っていない不要品の保有数の割合も、60歳代(20.7%)が最も多く、最も低いのは10歳代~20歳代(10.3%)だった。

メルカリ 調査 年代別「持ちモノ資産」の保有数と不要品が占める割合
年代別「持ちモノ資産」の保有数と不要品が占める割合(出典:メルカリ)

若年層は高齢層と比べて「捨てない」傾向

直近3年間のファッションアイテムの整理の仕方について質問。年代別で見たところ、「捨てた」という回答が最も高いのは60歳代(78.3%)だった。一方、最も低かったのは10歳代~20歳代(53.6%)で、60歳代と比べて24.7ポイントの差があった。

メルカリ 調査 直近3年間で服・靴・バッグなどのファッションアイテムを捨てて整理して経験の有無
直近3年間で服・靴・バッグなどのファッションアイテムを捨てて整理して経験の有無(出典:メルカリ)

「売った」と回答した割合では、30歳代が35.8%で最も多く、次いで10歳代~20歳代が29.8%、40歳代が27.6%だった。最も低い60歳代の16.7%。30歳代おと比べると19.1ポイントの差があった。

メルカリ 調査 直近3年間で服・靴・バッグなどのファッションアイテムを捨てて整理して経験の有無
直近3年間で服・靴・バッグなどのファッションアイテムを捨てて整理して経験の有無
(年代別、出典:メルカリ)

今回の調査結果を受け、ニッセイ基礎研究所の久我尚子氏(生活研究部 上席研究員)は次のようにコメントした。

これまでは自動車や住居のような高額商品に限られていたリセールバリューの意識が、日用品や趣味のアイテムにまで広がり、一般消費者が簡単にモノを売買できる環境が整いつつある。特にZ世代では、所有するモノを売却し、その価値と現金を組み合わせて新たな購入資金にあてる行動が目立つ。

さらに今回の調査では、若年層ほど不要品の保有率が低く、高齢層と比べて不要なモノを捨てず、売却や譲渡を選ぶ割合が高いことがわかった。彼らは不要になるモノを最小限に抑えて、購入時からモノの将来的な換金可能性を見据えており、これは節約志向を超えたモノの循環を意識した生活スタイルと言えるだろう。(久我氏)

調査実施概要
  • 調査タイトル「日本の「持ちモノ資産」に関する調査」
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2024年10月11日~10月15日
  • 調査対象:10代~60代の男女2400人
  • 調査対象項目:下記の5分類、計36カテゴリに該当する所有物の個数を調査
    • 服飾雑貨:トップス、ボトムス、靴、時計、バッグなど計12カテゴリ
    • 書籍・音楽・ゲーム:書籍・コミック、CD、ゲームソフトなど計5カテゴリ
    • 美容・健康:メイク・スキンケア用品、香水、ダイエット用品など計4カテゴリ
    • 趣味(ホビー・レジャー):おもちゃ、アウトドア用品、車など計8カテゴリ
    • 家具・家電・雑貨:PC、スマートフォン、家具など計7カテゴリ
  • 算出方法
    • 日本の世帯構成比に準じた調査サンプルを設定:日本全国を「北海道・東北」「関東(東京以外)」「東京」「中部」「近畿」「中国・四国」「九州・沖縄」7ブロックに分類。7ブロック内の世帯人員別のサンプル構成比を総務省統計局「令和2年国勢調査 人口等基本集計」の都道府県、世帯人員別一般世帯数と同等比率になるように割り付け、上記サンプルを対象に調査を実施
    • 個人の所有する持ちモノおよび不要品の総量を個数単位で調査:上記の5分類36カテゴリに該当する持ちモノと不要品を自宅内に何個所有しているかを調査
    • 性年代別一人あたり「持ちモノ資産」を算出:調査結果から、性年代別に36カテゴリごとの持ちモノと不要品の平均個数を算出。これらの数値と36カテゴリごとの「メルカリ」における平均取引価格(2023年1月~2023年12月実績)をかけあわせ、性年代別1人あたり平均「持ちモノ資産」を算出
    • 日本全国の「持ちモノ資産」の総額を算出:性年代別1人あたり平均「持ちモノ資産」を日本の性年代別人口とかけあわせ、その総計を「持ちモノ資産」として算出
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