クルーズがファッションECモール事業から撤退。「SHOPLIST」を「nugu」運営の韓国企業MEDIQUITOUSに売却
クルーズは1月17日、連結子会社でファッションECモール「SHOPLIST」を運営するCROOZ SHOPLISTの全株式を、韓国発のファッションECサイト「nugu(ヌグ)」を運営するMEDIQUITOUSに売却すると発表した。
クルーズグループは従前、ファッションECモール「SHOPLIST」を中核とする「SHOPLIST事業」をメイン事業に据えていた。現在はIT人材業界におけるエンジニア人材の不足という市場課題解決を目的にしたシステムエンジニアリング事業(SES事業)を中心に、人材×IT領域を対象にする「ITアウトソーシング事業」をメインに事業展開している。
グループの再成長を見据えた選択と集中の観点で、「SHOPLIST事業」から今後も成長が見込まれる「ITアウトソーシング事業」に経営資源を集中させることがグループ全体の成長に寄与すると判断、CROOZ SHOPLISTの株式売却を決定した。株式譲渡日は2025年2月28日付を予定している。
なお、同日に実施したCROOZ SHOPLISTの取締役会では、SHOPLISTのクルーズに対する債権の一部を債権放棄することを決議した。急成長している自社アパレルショップ「Ada.(エイダ)」の「Ada.事業」は、クルーズグループで事業を継続していく。
株式を売却するCROOZ SHOPLISTの2024年3月期の業績は、売上高が前期比4.5%減の68億5000万円、営業利益は1億9600万円(前の期は9800万円の損失)、経常利益は2億1100万円(同1億3300万円の損失)、当期純利益は1億900万円(同1億1300万円の損失)だった。
「SHOPLIST」の取扱高は2021年3月期の約282億円をピークに減少が続き、2024年3月期は約172億円に落ち込んでいた。
クルーズは株式譲渡および債権放棄に伴い、2025年3月期第4四半期累計期間(2025年1-3月期)の個別財務諸表において約7億500万円を関係会社株式売却益、約3億1100万円を債務免除益として特別利益に計上。連結財務諸表においては約2億4300万円(概算)を、関係会社株式売却損として特別損失に計上する見込み。
株式売却先のMEDIQUITOUSは、2020年10月にファッションECサイト「nugu」を日本でオープン。2023年の年間取引総額は50億円規模。東京・新宿と大阪に実店舗も開設している。「nugu」の特長はインフルエンサーが選んだアイテムの販売で、「nugu」内にインフルエンサーがショップを出店し、自身がセレクトした商品を自身がPR。購入された商品は「nugu」が顧客に発送し、インフルエンサーは報酬を受け取るビジネスモデルを採用している。
MEDIQUITOUSは売上高1000億円を目標に掲げており、CROOZ SHOPLISTの買収で規模拡大を加速する。