“韓国コスメ”で成長めざすeBayの「Qoo10」が掲げた2025年度の経営方針とは? 企業価値1000億円20社、100億円100社を育成

eBay Japan合同会社は3月14日、韓国ソウル市で実施したセラーカンファレンス「Qoo10 K-Beauty Conference」で、2025年度の新たな経営方針を発表した。
Bain & Companyの調査レポート(2025)によると、「Qoo10」は日本のオンラインサービスで“No.1ビューティープラットフォーム”に成長したという。その成長を支えているのが、韓国発の化粧品“韓国コスメ”と言われる「K-Beauty」分野。
eBay Japanはこの「K-Beauty企業」の企業価値と育成について方針を公表。1000億円企業20社、100億円企業100社を育成すると表明した。
「Qoo10」は2010年6月に日本での運営をスタート(当時の運営はジオシス)。2018年にeBay Inc.(イーベイ)がジオシスの日本事業を買収。日本法人のeBay Japanが「Qoo10」の運営を担っている。eBay Japanによると、「Qoo10」は2ケタ成長を続けているという。会員数は2500万人。
「Qoo10」が“韓国コスメ”で成長している背景には、強固なネットワークを保有していることがあげられる。母体のeBayは、2009年にオンラインマーケットを展開していたGmarketを買収。eBay Koreaに社名変更し、eBayによるAPAC事業の拠点を担った。eBay Koreaは2021年に新世界グループ入りしたものの、「Qoo10」に携わっていたリソースや人材などはeBay Japanへ移管。韓国でのネットワークなどはeBay Japanが抱えている。
ネットワークとは、韓国コスメに携わるブランド企業、ODM/OEM企業、運営パートナー、セールスマーケティングチャンネルといったネットワークとサプライチェーンの仕組み。「Qoo10」に韓国コスメ企業が出店し、日本への商品販売で成長を遂げているという。
韓国のセラー企業によると、日本は世界第3位のビューティー市場であり、K-POPなどの韓国文化への理解が深く、ここ数年で親しみを抱いている層が拡大したことなどにより、“韓国コスメ”の消費が増えているとする。
また、「Qoo10」はZ世代を中心に若年層の利用が高く、それをターゲットとする韓国企業が出店。「Qoo10」を日本進出の登竜門の位置付け、規模拡大を図っているという。