森野 誠之 2018/11/27 8:00
ネッ担まとめ

「個が満たされると集団への欲求が出てくる」。そんな流れになろうとしているのが今の時代。それをわかった上で、この先に起こりそうなことを考えてみましょう。

リアルとネット、個と集団。流れが変わろうとしています

スガケンさん、今のEC業界どうですか? iPad Pro、『マイ・インターン』、マッサージを語る | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/6175

まとめると、

  • リアルとデジタルの垣根は考えなくてもいが、リアルにおいてはモノ以外の価値を作るべき
  • 「個」を追求した結果、今は人と集まることに価値が移り始めている
  • お客様は「つまらない」と感じたとき何も言わず立ち去る。そこから何を学ぶか。想像や試行錯誤が必要

藤原 マーケティングにおいて調査に偏りすぎると、差別化できないじゃないですか。ある程度参考にはするのですが、自分で触診に行って「お客様ってこうだよね」と考え、見つけないと。お客様に聞いても、本当のことは言ってくれないですしね。

菅原 言ってくれないですよ。お客様が自分の痛い場所を正確に言えるわけがないし、よしんば言えたとしても、押されて気持ちいい場所は痛い場所とは違うんだから。

藤原 めっちゃいい場所を押してくれて、身体が軽くなるという体験をしたら、お客様が勝手に「あそこいいよ」って拡散してくれますよね。

菅原 そうそう。調査に関しては、自分たちが競合だと思っていない会社も含めて、10社くらいあげて競合調査をしてほしいと思います。そして、競合と自分の会社の差を見る。「ユーザーが全然違うね」「良いと思ってるところが違うね」とか。僕は「喜びを感じる場所」を聞くのですが、それがその会社のユニークなところだと思うんです。

株式会社コメ兵 執行役員の藤原義昭さんと、Moonshot CEOの菅原健一さんの対談です。良い体験を提供すれば、ユーザーが勝手に拡散してくれるのはまさにその通りだなと思います。意図して拡散させるような施策も否定はしませんが、これからの時代、ユーザーはこちらの意図になかなか乗ってくれなくなるはず。

もう1つ大切なのは人が集まる場所への力が強まっているということ。時代には流れがあります。

消費税率アップと聞くだけで世の中がネガティブに……

生活者にきいた“2019年 生活気分” を発表 | ひらけ、みらい。生活総研
http://seikatsusoken.jp/report/12928/

まとめると、

  • 2019年の景況感・景気予想は「悪くなる」が増加。理由は「消費税率アップ」「好景気の実感のなさ」
  • 来年始めたいことは男性が「金かせぎ」、女性が「体みがき」
  • 新元号案への期待・願いは、「安らかになる」「平和になる」といった世が鎮まる方向

・2019年に参加したいイベントでは、「初詣」(36.9%)、「花火大会」(30.2%)がトップ2です。

・2019年参加意向と2018年参加経験の差を、来年参加者が増える可能性と捉えると、上位は「自分へのご褒美旅行」「花火大会」「フードイベント」となります。非日常性と五感での体感性の高いイベントに生活者が惹かれているようです。

最初の記事に関連して、リアルイベントに興味を持っている人が増えてきているようですね。ということは、リアル接点がないところはつらくなっていくということ。オリンピックで景気が良くなってくるという気分もあるものの、やはり消費税率アップがわかっていると重いですよね。

詳細

ユーザーは売れる手法で買わされることを嫌がっています

デジタルな接客が向かう先がリアルのプロと違う方向に行ってませんか?神戸フランツ・中林さんに聞く | ECzine

https://eczine.jp/article/detail/6194

まとめると、

  • 商売という意味ではリアルもウェブも同じなのに、分けて考えたがる人がたくさんいる
  • 「ビッグデータ」とか「BI」だとか、ネットの世界は過去のデータばかりを見る傾向にある
  • ツールを使うなら顧客とのコミュニケーションについて考えた方が良い

たとえばスーパーのレジで、「あ、ごめん、このおかずやっぱりいいや」と戻そうとしたお客様に、「いやいや、今なら10%のクーポンあるんで、これ買ってくれるんだったら10%のクーポンあげますよ」なんてお店はないでしょう。要は、機会損失をどうとらえるかということですよね。

これも最初の記事に関連した記事です。お客さんが喜ぶということをどう考えるのか? 機会損失が起こりそうになった時にどう接するのか? 数字ではなく自分で見たり感じたりしたことから考えなければなりません。ツールを否定するわけではないですが、「その使い方ってどうなの?」と自問してみることもお忘れなく。

EC全般

フリマアプリ「メルカリ」、初となる50・60代の利用動向を発表 | 株式会社メルカリ
https://about.mercari.com/press/news/article/20181120_50s60s/

出品カテゴリの1位がゴルフ用品、2位が美術品というあたりに年代を感じますね。

オムニチャネルのその先、OMOへ リアル小売復活のために求められる変化とは | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/6183

「OMO(Online Merges with Offline/オンラインとオフラインの融合」は覚えておかないといけません。

Instagramショッピング機能(ShopNow)、動画投稿への対応や商品アイテム単位での保存機能など3つのアップデートを発表 | Feedmatic Blog
https://blog.feedmatic.net/entry/2018/11/16/155051

「1.動画投稿への対応、2.商品アイテム単位での保存機能(ショッピングコレクション)、3.ビジネスプロフィールから投稿された商品の一覧表示機能の3つのアップデート」

ディノス・セシールとHmcomm、通販コールセンター向けAI自動応答受注システムの共同開発を開始 | ECzine
https://eczine.jp/news/detail/6208

「最終的にはAIが顧客との自然会話によって通販受注を受付・完了することを目指す」。これが当たり前になる日も近そうですね。

郵便配達、制度維持で年200億の赤字 日本郵便が試算公表、ユニバーサルサービス転換点 | ITmedia
http://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/1811/19/news066.html

「値上げよりもサービス水準の低下の方が反発が少ないと判断した」。配達に関わらず負担が増えるぐらいなら我慢するということが多くなってきそうです。

「メルカリ」、オープン型宅配便ロッカー「PUDOステーション」からも発送が可能に | MarkeZine
https://markezine.jp/article/detail/29799

宅配ロッカーは受け取るためだけじゃないですよね。集合住宅に設置されたら便利そうな。

還元率20%の衝撃──スマホ決済のPayPay、100億円バラマキでキャッシュレス市場に攻勢 | Engadget 日本版
https://japanese.engadget.com/2018/11/21/20-paypay-100/

問答無用の札束での殴り合いが始まりました。

今週の名言

君たちの陸上人生の途中の4年間を見させてくれ

5年連続のシード権獲得に挑む。中央学大に見る“弱者の兵法”。 - 第95回箱根駅伝 | Number Web
https://number.bunshun.jp/articles/-/832487

箱根に参加すること、優勝することが目的になると4年間に詰め込もうとしてしまいますし燃え尽きる選手も多いですよね。自分の将来のことを考えてくれている監督なら付いて行こうと思えるはず。採用に困っている中小企業の人に読んでほしい記事です。

筆者出版情報

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森野誠之 著
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発売日 2021年10月15日
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この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!

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