森野 誠之 2018/11/20 8:00
ネッ担まとめ

ECの組織運営ってEC特有の何かがあると思ってしまいますよね。しかし、ディノス・セシールの石川さんのお話は、ビジネスの教科書に載っているような進め方でした。何事も基本は同じということなんでしょうね。

いくらデータを見ても商品が売れない理由はわからない

1200億円の巨大なプラットフォームでいかに変革を起こし、戦っていくか? 株式会社ディノス・セシール 石川森生さんインタビュー(前編) | Marketing Native
https://marketingnative.jp/interview-of-dinos-cecile-1/

1200億円の巨大なプラットフォームでいかに変革を起こし、戦っていくか? 株式会社ディノス・セシール 石川森生さんインタビュー(後編) | Marketing Native
https://marketingnative.jp/interview-of-dinos-cecile-2/

まとめると、

  • ディノス・セシールのECが軌道に乗っている一番の要因は「運用改善」。分散していたWebリソースをまとめて、EC本部という部門を立ち上げた
  • ECモールは広告事業としてECを見ているからディノス・セシールとは「競技」が違う。ディノス・セシールは「欲しいと思う瞬間」を作り出すことを目指す
  • ECに必要なのは「商売っ気」 。デジタルがどうとか、マーケティングがどうとか、レポートから出てきた数字だけを見て施策を決めるのはあまり意味がない

ECに携わっていると、どうしてもお客さまの顔が見えないので、商品を販売している実感が次第に希薄化していきます。「昨日は目標よりも〇万円足りなかった」と思って、Analyticsのデータや売り上げデータの数字を見ても、そのはっきりとした理由はわからないものです。物の売れ方が腑に落ちていないとデジタルを使った施策もうまくいきません。リアルでどのようにアプローチすれば商品が売れるのかを把握し、それをデジタル上でどう再現するのかを考える、という順番が大切です。

読めば読むほどECに限った話ではなく、普通の業務改善プロセスを踏んでいるという感じです。「ECだから」とか「Webサイトだから」とか思い始めたら上手くいかないことは明白です。引用文にもあるように「商品を販売している実感」が持てるようにならないといけないですね。

結果を出しているマーケッターはDMが効くことを知っている

DMで休眠顧客をECに呼び戻せるのか?デジタル×アナログ施策の現実解 | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/6130

まとめると、

  • 紙のダイレクトメールとEメールは、①BtoBでもBtoCでも効果がある ②単体ではなく組み合わせるのが重要 ③送るのはDM ④パーソナライズはシナリオが命 ⑤クリエイティブよりタイミング
  • DMは1通の単価が高いので1回の購入だけでは判断できない。LTVを長い目で見ていく必要がある

(休眠客に送った)DMからの購入者数は全体の約2%で、DMを送付していない層と比較したアクティブ率は約2倍にのぼることがわかりました。今回の取り組みで、オンラインで接触できなかったお客様に対しても、DMを活用したアプローチによってアクションを起こしてもらうきっかけを作れることがわかったのは大きな収穫です。

─アダストリア WEB事業本部シニアマネージャー 渡辺元氏

DMが効くのは送ったことがある人ならご存知ですよね。問題は送り方。なんとなく全員に定期的に送っていては意味がなく、メルマガのようにセグメントして送らないといけません。記事中に紹介されているように、休眠客や小冊子などに反応しやすいユーザーなどがDMに向いています。コミュニケーションの基本は相手に合わせること。

ちょっとでも「面倒」と思われたらそれでおしまいの時代

「可処分時間」の奪い合いが、小売業でも起きている【コメ兵 藤原義昭】 | Agenda note
https://agenda-note.com/retail/detail/id=752

まとめると、

  • 現代は「可処分所得」の奪い合いから「可処分時間」の奪い合いになった
  • 可処分時間の奪い合いは、ニュースサイトやゲームアプリなどのデジタルサービスに限った話ではなく、小売業界にも関係してきている
  • それまで店頭で行ってきた接客がデジタルの世界でも行われるようになり、小売業にとっての「接客の概念」が広がった

アパレルであれば、行きつけの店舗の在庫の有無からサイズまで(ECサイトで)わかります。また、コーディネートのコンテンツを見ることで、自分の手持ちの洋服と合うかまで知ることができます。このように来店前に、それまで店頭でしか知り得なかった情報を入手でき、店舗では手触り感や最後の試着など、物理的にデジタルでできないことを利用すれば良くなっています。時間を短縮しながら、目的の達成が叶うわけです。

可処分時間の奪い合いということは、ユーザーに主導権がありますから、ユーザーのタイミングで自社に接してもらわないといけません。「聞いてくれればわかる」というスタンスでは、あっという間に他社に奪われてしまいます。

EC全般

「カゴ落ち」問題、店舗誘導 施策で解決を図るターゲット | DIGIDAY[日本版]
https://digiday.jp/brands/target-dealing-online-cart-abandonment-luring-customers-stores/

これは面白いアイデア。ネットのかご落ちユーザーを店舗に誘導するアイデア。

1日で約6兆円の取扱高を生んだ中国EC大手2社アリババ+JD.comの「独身の日」まとめ | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5948

アリババ「独身の日」、越境ECの流通額1位は日本、輸入ブランドでは2位にMoony、3位に花王 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5953

今年もとんでもなかった独身の日。6兆円ってピンとこないくらい大きな数字です。

京東(JD.com)/「独身の日」セールでドローン輸送、約2万回飛行 | LNEWS
https://lnews.jp/2018/11/k111206.html

「セール期間中、ドローンは約2万回飛行し、合計12万キロで荷物を届けた」。さらっと書いてありますが、これもとんでもないです。

定期購入ページの説明が不十分な場合は警告が表示されるようになります | Googleウェブマスター向け公式ブログ
https://webmaster-ja.googleblog.com/2018/11/unclear-mobile-subscription-notification.html

もはやブラウザを超えた……。

グランパスの緻密な集客。そもそもチケッティングってなんだ? | footballista
https://www.footballista.jp/special/50581

ネットショップの話ではないですが、リピート施策のヒントになるはず。

1万人に聞いたネット通販の利用率は58%。20~30代は約80%、60代は29%、70代で14% | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5950

20~30代でネット通販を使ったことがない20%の人はどんな人なのかが気になります。

ヤマト運輸の会員サービスがGoogle Homeに対応! 話しかけるだけで宅配便の配送日時を変更可能に | MarkeZine
https://markezine.jp/article/detail/29731

ゲームなどをしていて両手がふさがっているときには便利かも。

KDDI、ECサイト利用者の携帯料金を値引きへ 購入額の最大10%を19年1月から | ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1811/13/news091.html

ポイントよりも身近な値引き。auユーザーはグラッと来るかも。

LINE 通数課金シミュレーター|手間は一切不要のLINE自動配信ツール | WazzUp!
https://wazzup.me/simulator/

有料化に備えてチェックを。

今週の名言

いちばん簡単な応援は金を使うことだと思ってる。あたたかな励ましとともにFBでシェアされるより、CD1枚本1冊買ってくれる方が嬉しい。だから私も、友人知人さらに好きな人たちのCDや本は必ず購入することにしている

エヴァ作詞家「いちばん簡単な応援は金を使うこと」に賛同相次ぐ 「FBでシェアするよりCD1枚買う方が確実に応援になる」 | キャリコネニュース
https://news.careerconnection.jp/?p=62306

好きなお店がなくなってから嘆いても始まりません。お店はお金がないと続かないので、応援の意味でお金を落としましょう。

筆者出版情報

「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める小さい会社のウェブマーケティング必勝法

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森野誠之 著
翔泳社 刊
発売日 2021年10月15日
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