1日で約7.3兆円の取扱高を生み出した中国EC大手アリババ+JDの「独身の日」まとめ
ネット通販の買い物の祭典「独身の日」(W11、ダブルイレブン)が行われた中国で、ECプラットフォーム最大手の阿里巴巴集団(アリババグループ)と、「JD.com」運営の直販EC最大手「JD.com」を運営する京東集団の取扱高(GMV)は、2社合計で4728億元(日本円で7兆3756億円、1元15.6円換算)だった。伸び率は前年実績比26.7%増。
アリババ、JDともに20%台の伸び率を記録
セブン&アイ・ホールディングスの2019年2月期連結決算によると、売上高は6兆7912億1500万円。セブン&アイの年間売上高を、中国EC上位2社の合算した取扱高は1日で大きく上回る計算になる。
アリババグループの取扱高は過去最高となる2684億元(日本円で4兆1870億円、1元15.6円換算)で、伸び率は前年比25.7%増。
日本のEC市場で取扱高トップである楽天の2018年度(2018年1~12月期)国内EC流通総額は3兆4310億円。「独身の日」1日で楽天の取扱高を1.2倍上回る取引が行われた計算になる。
2019年は2018年実績を上回るスピードで取扱高が拡大。スタートから1時間3分59秒で1000億人民元に達し、11時間で1766億1000万人民元(252億5000万ドル)を超えた。2000億人民元を超えたのはスタートから14時間21分後。そして、スタートから16時間31分12秒後、2018年に記録した取扱高2135億円を突破した。
一方、中国直販EC最大手「京東集団」の取扱高も過去最高となる2044億元(日本円で3兆1886億円、1元15.6円換算)。伸び率は前年実績比28.0%増。
アリババと京東集団で異なるビジネスモデル&「独身の日」の仕組み
アリババグループが展開するECビジネスはプラットフォーム型と呼ばれる出店形式。一方、京東集団は自社によるネット通販とプラットフォーム型の2形式で展開。そのため、「独身の日」キャンペーンの展開方法もそれぞれ異なる。
アリババグループは11月11日を「独身の日」キャンペーンとして展開し、京東集団は11月1日から11日までの11日間を対象としている。アリババグループは11月11日当日に決済された金額、京東集団はキャンペーン期間中の11日間に決済された金額がそれぞれ取扱高となる。
ただ、アリババグループは決済を11月11日に行うが、それよりも前に割り引きなどの特典を付けた予約販売形式で消費者の購買意欲を喚起。2019年は10月21日から予約販売をスタートし、セール期間中のプロモーションやキャンペーンでは、消費者に合計約500億人民元(約7500億円)の割引を提供した。
アリババグループの「独身の日」には、中国と世界各国から20万以上のブランドが参加。100万もの新商品が販売された。ちなみに、アリババグループのプラットフォームで買い物をする消費者は、前日までに買い物カゴへ商品を入れておいたまま、「独身の日」に決済するという人が多い。そのため、11月11日の「独身の日」当日に決済が集中し、スタート当初に取扱高が急拡大する。
商品配送は決済終了後の11月11日以降に行われる。関係者によると「事前予約制度のため、予約していたことを忘れており、注文をキャンセルする人も多い」と言う。
一方の京東集団では1日から「独身の日」キャンペーンをスタート。11月11日0時に1313億人民元、9時の時点で1658億元と、過去最高のペースで取扱高は推移。22時55分には取扱高が2000億円を突破した。
京東集団では決済終了後、すぐに自社物流である「京東物流」を通じて、当日配送、もしくは翌日配送といったスピード配送で商品を購入者に届けている。