2019年度のアフィリエイト市場は8.7%増の3133億円、2023年度には4654億円に拡大と予想
矢野経済研究所は2月7日、国内アフィリエイト市場に関する調査結果を発表した。それによると、2019年度の国内アフィリエイト市場規模は前年度比8.7%増の3133億円になると予想。
国内アフィリエイト市場は今後も拡大するとしており、2023年度の国内アフィリエイト市場は4654億円にまで拡大すると予測している。
業種別にアフィリエイト市場をみると、金融分野、特に仮想通貨やロボアドバイザーなどの投資や資産運用に関する商材で市場が拡大。EC分野も大きく伸長しているほか、2019年のゴールデンウィークが通常より長期間だったことによる旅行分野、2019年10月の消費税増税前の駆け込み需要により家電分野が拡大したという。
販売手法をみると、単品商材を中心とした定期購入(サブスクリプションモデル)が増加するなど、単価の高い案件が増えており、アフィリエイト市場の拡大に寄与している。
アフィリエイトを取り巻く環境
外部環境に関しては、ITP(Intelligent Tracking Prevention:サイトトラッキングの抑止機能)によるクッキーの制限、Googleアルゴリズムのアップデートによる検索順位の変動、ヤフーのレギュレーション強化によるアフィリエイトサイトの広告出稿の厳格化など、アフィリエイトサイトにとってネガティブと考えられるレギュレーションの変更が行われた。
広告出稿の厳格化に関しては、Facebookなどのソーシャルメディアにおいても、広告出稿専用アカウントの閉鎖といったレギュレーションの厳格化が図られるなど、アフィリエイトメディアに対してもネガティブなインパクトを与えている。
しかし、現状のプラットフォーマーによるレギュレーションの厳格化に関しては、景品表示法や薬機法などの法規制を順守しない一部のアフィリエイトパートナーや広告代理店に大きな影響を与えているものの、優良なアフィリエイトメディアや広告代理店においてはほとんど影響を受けていないという。
違法サイトが追放されるという観点においては、アフィリエイト業界にとってはプラスになるため、長い目で見ると決してネガティブ要因ではないとしている。
今後の市場予測
今後も国内アフィリエイト市場が拡大する理由は、広告主として自社ブランド製品を持つナショナルクライアントのインターネット広告への出稿が増えていることがあげられる。
この流れは、ダイレクトレスポンス系の広告やECサイトなどでの広告出稿増加につながる可能性が高く、アフィリエイト市場においてもプラスに影響するとみている。アフィリエイトの提案による広告出稿効果がこれまで確実に出てきており、アフィリエイトへの評価が高まっていることも市場拡大の背景にある。
さらに、EC化率の拡大も主たる要因となり、商品購入時のEC化率の拡大やEC決済サービスの導入障壁が低くなっていくこともあげられるという。
分野としては、女性向けのダイエット商材やコスメ商材等が期待され、加えてサブスクリプションモデルの浸透も市場を牽引する要因になると期待されている。