楽天が「送料無料ライン統一施策」での退店店舗に補償や外部チャネルの案内を検討へ
「楽天市場」での買い物時にユーザーが3980円(税込)以上購入した場合の送料について、購入者負担を0円とし事業者が送料全額を負担する送料無料ライン全店舗(一部除く)統一施策に関して楽天は2月13日、施策が原因で退店する店舗に向けた支援を行う方針を発表した。
2月13日時点であがっている支援策は次の2つ。
- 「楽天市場」での既存顧客に対する外部販売チャネルの案内支援
- 「楽天市場」出店料の払い戻し
2月13日に楽天が開いた決算説明会で三木谷浩史会長兼社長は、「(「楽天市場」での運営が)厳しいという店舗にはお助けできないかなと。Amazonやヤフーに移るのであれば『移転しました』と表示する。自社ECサイトを開いたのであれば通知もする」と説明した。
「楽天市場」では原則、店舗ページ内に市場外部へのリンクを貼ることやURLを記載する行為を禁止している。説明会で三木谷社長は外部リンクやURLの記載については言及していない。
広報担当者は「これから具体的な取り組みについて検討」と回答。出店料の払い戻しと合わせて、2月中に出店者へ通知するとしている。
なお、これまで「送料無料ライン」と呼んでいた施策の名称をこの説明会から「送料込みライン」に変更している。「エンドユーザーにはわかりやすいと思っていたが、(送料はタダではないといった)誤解を生みやすかったと反省している。わかりやすい名称にした」と三木谷社長は説明した。
楽天によると、3月18日から始める送料無料ライン全店舗(一部除く)統一施策で影響を受ける注文は全体の8%にとどまるという。
「楽天市場」内で一定額以上購入した消費者の送料を店舗側が負担する施策は8割が実施しており、送料の店舗負担を行っていない割合は2割にとどまると説明。「送料無料ライン統一施策」の影響を受けるとする割合はこうした数値に基づいた試算だが、購入価格ラインは「2000円以上」「5000円以上」などと店舗ごとで異なっている。
楽天が出店者に対して今回の送料施策を公表したのが2019年1月。「退店者が増えている」との一部報道があるものの、2018年12月末時点で4万7007店舗だった出店者数は、2019年12月末で4万9887店に拡大している。