石居 岳 2022/2/16 9:00

オイシックス・ラ・大地は、2022年1月に発生した物流センターでの出荷トラブルによる2022年3月期への影響について、売上高で約15億円の減少、利益で約15億~20億円の損失になるとの見通しを明らかにした。

物流センターでのトラブルそのもので約5億円の減収、利益への影響は約6億~8億円の損失。このほか商品廃棄に伴う利益への影響が約2億~3億円と想定している。

このほか、リカバリー期間のコスト・機会損失で売上高が約3億円の減少、利益への影響が約5億~7億円。さらにプロモーションの停止に伴う影響が売上高で約7億円の減少、利益で約2億円の損失を見込んでいる。

2022年1月に発生したオイシックス・ラ・大地の物流センターでの出荷トラブル
業績に与えるトラブルの影響(オイラ大地のIR資料から編集部がキャプチャ)

物流センターのトラブルに対するリカバリープランとしては、すでに2022年1月中に遅延のない出荷体制を構築。今後、①お届けの量の拡充②お届けの質の改善③恒常的なコスト削減――という3つのステップでリカバリーを図る。

量の拡充では、新物流センターでの生産性向上、サテライト・冷凍ステーションの出荷数を増やし、2022年2月中に出荷量キャパシティの増強を完了する。

質の改善では、制限していた販売アイテム数を段階的に拡張。停止していたアライアンス広告も再開し、2022年3月期中に注文・お届けの質をトラブル前の水準まで戻す。

恒常的なコスト削減は、当初予定していた新物流センターでのコスト低減を図っていくほか、フードレスキューセンターは当初より1か月遅れの5月から、旧物流センターからの移行を実行。来期(2023年3月期)上半期(2022年9月中)までには、当初予定していたコスト削減水準までのリカバリーを図る。

2022年1月に発生したオイシックス・ラ・大地の物流センターでの出荷トラブル
リカバリーについて(オイラ大地のIR資料から編集部がキャプチャ)

オイシックス・ラ・大地は当初、年成長率約20%で推移している食品宅配サービス「Oisix」の成長を見据え、出荷キャパシティの拡張と出荷業務のコスト削減を目的に、新物流センターである新海老名ステーションへの移転を決定した。

当初計画では2024年ごろの移転を予定していたが、新型コロナウイルスによる宅配需要の伸長に対応するため、約2年前倒しでの移転を実行。2022年1月16~17日に、全出荷を新海老名ステーションに移管する移転作業を敢行した。

しかし、全出荷移管の当日、最初の工程である入荷において、納品時間の遅れなどが発生しオペレーションが混乱。後続する倉庫入れ作業や在庫確認が停滞し、商品が棚に補充しきれなくて高精度な新しい物流ラインが稼働せず、商品を配達できない状況が発生していた。

2022年1月に発生したオイシックス・ラ・大地の物流センターでの出荷トラブル
トラブルの原因(オイラ大地のIR資料から編集部がキャプチャ)

 

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