クラウドECサイト構築プラットフォーム「メルカート」のメルカートは5月19日、EC事業を展開する企業の経営層400人を対象に実施した「データ統合に対する意識調査」の結果を公表した。「データ統合なしにAI競争に勝てない」と58.0%が回答した一方、2026年度にデータ統合基盤への投資を最も増額する予定とした企業は18.2%にとどまった。必要性は認識されているものの、投資や実行には結びついていない実態が浮き彫りになった。

「自社のデータ分断(サイロ化)が、AIの学習・活用を阻害し、競合他社との経営能力の差を広げる決定的な要因になると感じるか」という設問に対し、「非常に強く感じる」が22.2%、「やや感じる」が35.8%で、合計58.0%が危機感を示した。

また、「ECプラットフォームは今後、単なる販売・管理の場から、データをもとに経営の意思決定を支える“頭脳”へと進化すべきだと思うか」という問いには、68.8%が「強くそう思う」または「どちらかといえばそう思う」と回答。ECプラットフォームに求められる役割そのものが変化しつつあるようだ。

データ統合済みは24.2%、約3社に1社は消極姿勢
一方で、実際の取り組み状況を見ると、「すでに統合済み」と回答した企業は24.2%にとどまった。「進行中」の16.5%を合わせても約4割にとどまる。

これに対し、「課題ではあるが、今のところ経営判断に大きな影響は出ていない」が15.2%、「優先順位は低く、機会損失も感じていない」が17.2%で、約3社に1社がデータ統合に消極的な姿勢を示した。
危機感があっても投資は進まず、「増額予定なし」が最多
「データ統合なしにAI競争に勝てない」と危機感を抱く経営者層に対し、2026年度のIT・システム予算で最も増額する予定の項目を聞いたところ、「データ統合基盤・分析環境(CDP/DWH/BI)」をあげたのは23.3%だった。危機感を持つ経営者であっても、最優先の投資先としてデータ統合基盤を選ぶ企業は2割強にとどまった。

全体でも、「最も増額する項目」としてデータ統合基盤をあげた企業は18.2%。一方で、「増額する予定のものはない」は30.8%で最多となった。

経営判断のスピードにも課題が見られる。「経営会議などで複数のデータをまたぐ集計が必要な数字を求められた際、手元に届くまでにどのくらい時間を要するか」という設問では、38.0%が「2〜3日以上かかる」と回答。「1週間以上かかる、または算出できない」も10.5%あった。

さらに、「マーケティングや経営企画の担当者が、データの抽出・加工・レポート作成のためだけに費やしている時間」については、月間20時間以上と回答した企業が50.2%にのぼり、情報整備に多くの工数がかかっている実態も明らかになった。

データ統合済み企業の約9割がKPI改善を実感
一方、データ統合を実現した企業では成果も出ている。「データ統合を実現したことで、LTV(顧客生涯価値)やリピート率などの主要KPIは導入前と比較してどの程度改善したか」との問いに対し、何らかの改善を実感している企業は約9割にのぼった。

改善幅を見ると、「10%以上向上」が81.0%、「20%以上向上」が59.5%、「30%以上向上」が24.5%だった。
メルカートでは、特にリピート率やLTVといった顧客との深い関係性を示す指標で顕著な改善が見られたとしており、データ統合は短期的な売上向上だけでなく、持続的な成長に向けた基盤になると分析している。
調査概要
- 調査名:データ統合に対する意識調査
- 調査方法:インターネットアンケート
- 調査対象:EC事業を展開する企業の経営層
- 有効回答数:400人
- 調査時期:2026年3月25日~26日
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