東証グロース市場に新規上場した「売れるネット広告社」とは? ビジネスモデル、業績などまとめ
売れるネット広告社が10月23日、東京証券取引所グロース市場に新規上場した。調達する予定の資金は3億7000万円。マーケティング手法拡大のための販売促進費、人件費・採用活動費、クラウドサービスやマーケティング支援サービスの開発費用に充当する。
売れるネット広告社が手がけるのは、D2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業。「ネット広告/ランディングページ特化型クラウドサービス」と「マーケティング支援サービス」で構成する。
「ネット広告/ランディングページ特化型クラウドサービス」では、インターネット広告の費用対効果を改善させるクラウドサービス「売れるD2Cつくーる」、専任コンサルタントが1200回以上のA/Bテストの結果に基づいたコンサルを実施する「売れるネット広告こんさる」、その結果を用いてランディングページなどの作成を代行する「売れるネット広告でざいん」を提供している。
「マーケティング支援サービス」は、「売れるD2Cつくーる」のクライアント向けにサービスを展開。2023年7月末現在で349社と契約している媒体社に成果報酬型で広告配信する「最強の売れるメディアプラットフォーム」を提供している。
2023年7月31日現在の従業員数は45人。平均年齢は30.2歳で平均年間給与は484万1000円。
目論見書によると、2022年7月期の売上高は8億4380万円。内訳は「ネット広告/ランディングページ特化型クラウドサービス」が3億9638万円(「売れるD2Cつくーる」が2億5174万円、「売れるネット広告こんさる」が5050万円、「売れるネット広告でざいん」が9414万円)、「マーケティング支援サービス」が4億4741万円。主なクライアント企業にはランクアップ、フィネスがある。
なお、2022年7月期から「収益認識会計基準」などを適用。従前までは代理人に該当する取引について総額表示(取扱高)を売上高としていたが、2022年7月期からは純額表示に変更した。そのため、目論見書などで記載している2022年7月期の売上高が大きく減少しているように見える。
直近の2023年7月期の業績は売上高が前期比13.7%増の9億5900万円、営業利益は1億5100万円(前期は7700万円の損失)、経常利益は1億6600万円(同6700万円の損失)、当期純利益は1億1300万円(同5200万円の損失)。
2024年7月期は売上高が同9.6%増の10億5100万円、経常利益は同47.1%増の2億4500万円を計画する。
なお、新規上場について加藤公一レオ代表取締役社長CEOは次のようにコメントしている。
小さなマンションの1室で売れるネット広告社が始動した日のことが、昨日のことのように思い出されます。ありがたいことに、この13年間で、クライアントと仲間がどんどん増え、福岡オフィスの移転・拡大、東京オフィスの開設・移転・拡大も経て、見える風景がどんどん変わっていきました。
今回の上場は、売れるネット広告社が50年後、100年後も存続し、さらに“大成長”することにより、世界中にたくさんの“ドラマ”を創っていくためのチャレンジでした。
本日、東京証券取引所グロース市場への上場を果たすことができたのは、売れるネット広告社を信じて一緒に歩んでくれたステークホルダーの皆様のおかげです。
売れるネット広告社を支えてくれたすべての方に心から感謝すると同時に、企業理念の実現に向けて、引き続き全力で取り組む決意を新たにしております。今後とも、一層のご理解、ご支援のほどお願い申し上げます。