GMOインターネットグループは生成AIを従業員の過半数が「ほぼ毎日」活用、1人あたり月間で約32.2時間の業務削減効果

GMOインターネットグループが3月28日に公表したグループ社内の生成AI活用の実態調査の結果によると、グループ全体の生成AI業務活用率は90.0%に到達、AIを活用しているパートナー(従業員)の過半数が「ほぼ毎日」活用していることがわかった。
生成AIの活用率は1.4ポイント増の90.0%に
GMOグループでは四半期に一度、生成AIの活用状況に関する定点調査を実施している。利用頻度などについて調べたところ、2025年3月時点で全体の生成AI業務活用率は前回調査から1.4ポイント増の90.0%になった。

利用頻度は生成AIを業務に活用しているパートナーのうち、54.6%が「ほぼ毎日活用」と回答。83.7%が「週1回以上」活用していた。

グループ全体の月間の削減時間は前回調査から約1.6万時間増となる推定17.7万時間。1人あたりの月間の削減時間は約32.2時間(前回調査差+約2.1時間)となった。

AIの活用レベルも調査、「高レベル」は約29%
回答結果から「利用頻度」「利用ツール数」「削減時間」「リテラシー」といった複数の観点から業務活用しているパートナーを3段階の活用レベルに分類。その結果、高レベルに分類されたパートナーは全体の28.8%にとどまったという。GMOグループでは「今後は、単に業務活用をしているかどうかだけでなく、高度なレベルで使いこなせているか、という点にも着目し、さらなるAI活用推進を進める」としている。

そのほか、AI人材育成プログラムである社内リスキリングスクール「虎の穴」に興味を持っているパートナーは62.4%。内訳は「受講済み」が11.8%、「興味がある」が50.6%だった。

また「身近にAIについて質問、相談できる人がいるか」という質問に対しては、「いる」と回答した人が71.0%で、周囲の仲間と相談しあってAI活用を推進できる環境が整ってきているようだ。

AIトレンドである「Deep Research(詳細な調査機能)」についても、すでに多くのパートナーが業務に取り入れ、効率化だけでなく新たな価値創造を推進していることがわかった。
正確性の観点から、最終的には人間による一次情報のチェックは必要という声はありつつも、「調査効率化」「情報収集範囲の拡大」「アイデア創出」といった観点から有益であるという意見が多かった。また、月200ドルと高額なChatGPT Proプランに関しても「価格だけの価値がある」や「調査に当てた時間で別の業務に集中できる」といったポジティブな意見が寄せられた。
人力とAI活用のバランス……「最終確認は人間」
人力とAI活用のバランスの取り方についても聞いた。「AIを使っていて『まだ自分(人間)がやったほうが良い』と感じたこと」についての質問には、「人間が主体となって、AIをアシスタントとしていかに活用出来るかが重要である」や、「最終結果は人間がしっかりとチェックするべき」といった回答が目立った。
「生成AIを使いこなせているなと思う人はどんな人か」といった質問には「目的に沿った適切なAIの選択ができる人」や「日々アップデートを追いかけ、ツールを使い分ける柔軟性がある人」といった声も多かった。
GMOグループ内のAI推進プロジェクト「AIしあおうぜ!」リーダーを努める李 奨培氏は「遂にGMOインターネットグループ全体の生成AI業務活用率は90.0%を超えた9割から先の「質」に徹底的にこだわりたい。活用が9割だとして、その中身はどうなのか、そこに響くのが各担当部署の『共通言語』や『共通知識』の確立。2025年はコミュニケーションという、人間社会の本質に迫っていく」とコメントしている。
調査概要
- 調査テーマ:「生成AI活用」実態調査
- 回答者数:6,422人(有効回答5,276人)
- 調査対象:GMOインターネットグループの国内パートナー(正社員、契約社員、アルバイト、派遣社員、業務委託)
- 調査期間:2025年3月10日(月)~3月14日(金)