良品計画など大手小売24社が考えるオムニチャネルの課題は「ポイント・顧客データの共通化」

客単価が向上したと回答した企業は22%で、売り上げ向上につなげることへの課題が浮き彫りになっている

瀧川 正実

2014年7月22日 13:47

EC・小売業向けソリューション提供のエスキュービズム・テクノロジーは7月15日、実店舗とECなど複数の販売チャネルを組み合わせるオムニチャネルへの取り組みについて実態調査を実施、その結果を発表した。良品計画を含む大手小売企業24社を対象に調査。ポイント・顧客データの共通化を課題に上げる企業が多かった。

24社中、オムニチャネルに取り組んでいるのは9社。その効果として、「顧客満足度が向上した」が67%でトップ。続いて「会員登録数・ポイント利用者が増加した」(56%)、「顧客の店舗来店・購入頻度が増えた」(56%)といった顧客との関係性や接客向上で効果を実感している企業が多い。

良品計画など大手小売り24社のオムニチャネルについての調査

オムニチャネルを実施していることで得た効果について(エスキュービズム・テクノロジー調べ

一方で客単価が向上したと回答した企業は22%。売り上げ増加につなげることへの課題が浮き彫りになっている。

24社の内、70%の企業が店舗またはECサイトで独自のポイントプログラムを提供していることが判明。ただ、店舗とECサイトの両チャネルでポイントプログラムを共通化しているのはその内の29%に留まった。

今後ポイントプログラムの共通化を検討している企業は35%。これから取り組むべき課題として検討している企業が多い。

良品計画など大手小売り24社のオムニチャネルについての調査

ポイントプログラムの実施について(エスキュービズム・テクノロジー調べ

アンケートに回答した全企業で実店舗とSNSを活用。その内、89%がECサイトやコーポレートサイトを販売チャネルとして活用している。

具体的には、ショッピング機能に加え、ポイントシステムの導入、スマートフォンアプリケーションによる来店・再来店の促進、店舗とECサイトでの顧客データの統合、SNSを活用した顧客とのコミュニケーションなどを進めている。

良品計画など大手小売り24社のオムニチャネルについての調査

オムニチャネルの実施状況について、大手小売り24社中、実施しているのは38%(エスキュービズム・テクノロジー調べ

調査概要は以下の通り。

  • 調査方法:取材型アンケート方式
  • 調査対象:実店舗とECサイトの両方を持つ企業の店舗運営統括担当者、情報システム部担当者、企業広報
  • 有効回答数:24社
  • 調査期間:2014年1月27日~2014年4月16日

 

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